
アフィリエイトをするためにはサーバー代やドメイン代などがかかりますが、これらの費用は経費として計上してもよいのか、悩むことも多いでしょう。
そこでこの記事では、アフィリエイターが経費として確定申告できるものを紹介します。
勘定科目や仕訳例、節税のコツなども紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
アフィリエイターが経費にできるもの一覧
そもそも経費とは、事業を進めるうえで必要な費用のことです。
事業とは関係ない費用まで経費として申告すると、ペナルティを課せられる可能性もあるため注意しなければなりません。
アフィリエイターであれば、以下のような費用を経費として計上できるでしょう。
以下、それぞれの経費の詳細や仕訳例などを解説していきます。
家賃(自宅の一部を仕事場としている場合)
自宅で仕事をしているアフィリエイターは、家賃の何%かを経費として申告できます。
家賃の全額ではなく「何%か」であるのは、自宅全体が仕事場ではないからです。
たとえば、60㎡の自宅のうち15㎡を仕事スペースとして使用しているなら、家賃の25%は経費として認められるでしょう。自宅の家賃が8万円の場合、2万円を経費にできるのです。
このように、面積などを基準として経費にする割合を決めることを家事按分というのですが、
- 何を基準にして割合を決めるのか
- 何%まで経費としてよいのか
といったことについて、細かなルールはありません。
基本的には、アフィリエイター自身が自由に按分比率を決定できます。
とはいえ、経費の比率が大きすぎたり、基準が不明確であったりすると、税務調査で指摘される可能性もあるため注意が必要です。
- 仕事スペースの面積を基準として決める
- 仕事時間を基準として決める
など、税務署にも納得してもらえるような割合にしておきましょう。
勘定科目・仕訳例
借方 | 貸方 | 摘要 |
地代家賃 15,000円 | 事業主借 15,000円 | 家賃9月分(按分比率25%) |
家賃は、勘定科目「地代家賃」として仕訳します。
たとえば、自宅の家賃6万円を個人の口座から支払い、そのうち25%を経費とする場合は、上記のように仕訳しましょう。
按分比率を摘要欄などにメモしておくことも大切です。
残りの75%は事業と関係のない費用であるため、仕訳をする必要はありません。
家賃(自宅以外に事務所を借りている場合)
事業が大きくなってくると、専用の仕事場を借りるケースもあるでしょう。
自宅以外の事務所の家賃については、家事按分をする必要はなく、全額を経費として問題ありません。
- シェアオフィス
- コワーキングスペース
などの家賃も、全額を経費として計上しましょう。
勘定科目・仕訳例
借方 | 貸方 | 摘要 |
地代家賃 70,000円 | 普通預金 70,000円 | 家賃11月分 |
事務所の家賃7万円を事業用口座から支払った場合、上記のように仕訳します。
電気代
仕事場の電気代も経費として申告できます。
- 自宅で仕事をしている場合は按分比率に応じた金額
- 事務所を借りている場合は全額
を経費計上しましょう。
按分比率は、家賃と同じように、仕事スペースの面積や作業時間などを基準として設定します。
ガス代や水道代も同じように処理できそうな気がしますが、自宅で仕事をしている場合、家事按分をしても経費として認められないのが一般的です。
アフィリエイターの仕事において、水道やガスを使用することはほとんどないですよね。
- 料理動画を投稿するYouTuber
- ガス器具を使って作品を制作する芸術家
などであれば、ガス代や水道代を経費として計上できるのですが、アフィリエイターの場合は難しいでしょう。
事務所を借りている場合は、ガス代も水道代も全額経費として問題ありません。
勘定科目・仕訳例
借方 | 貸方 | 摘要 |
水道光熱費 3,500円 | 事業主借 3,500円 | 電気代5月分(按分比率50%) |
自宅の一部を仕事場としているアフィリエイターが、電気代7,000円を個人用口座から支払い、そのうち50%を経費とする場合は、上記のように仕訳を行います。
インターネット代
アフィリエイターの活動に必要不可欠であるインターネットの料金は、当然、経費として計上できます。
- 仕事専用の場合は全額
- プライベートにも利用している場合は按分比率に応じた金額
を経費としましょう。
勘定科目・仕訳例
借方 | 貸方 | 摘要 |
通信費 6,000円 | 普通預金 6,000円 | インターネット代12月分 |
事務所のインターネット代6,000円を事業用口座から支払ったときは、上記のように仕訳します。
勘定科目は「通信費」として仕訳するのが一般的です。
サーバー・ドメイン代
アフィリエイトサイトの構築に必要なサーバーやドメインの料金も、経費として計上しましょう。
サーバー代やドメイン代は、勘定科目「通信費」として処理するのが一般的です。
勘定科目・仕訳例
借方 | 貸方 | 摘要 |
通信費 4,000円 | 事業主借 4,000円 | サーバー代 |
サーバー代を個人のクレジットカードで支払った場合は、上記のように仕訳します。
ドメイン代についても同様に仕訳しましょう。
SEO対策ツール代
- Ahrefs
- Rank Tracker
- GRC
といったツールを使って検索順位のチェックやSEO対策を行っている場合は、その費用も経費として計上できます。
勘定科目は、インストールするタイプは「消耗品費」、クラウド上で利用するタイプは「通信費」とするのが一般的です。
勘定科目・仕訳例
借方 | 貸方 | 摘要 |
消耗品費 10,000円 | 普通預金 10,000円 | SEO対策ツール代 |
検索順位のチェックに必要なインストールタイプのツールを1万円で購入し、事業専用の口座から支払った場合は、上記のように仕訳します。
WordPressの有料テーマ代
アフィリエイトサイトを構築するために、有料のWordPressテーマを購入した場合は、その費用も経費として申告しましょう。
勘定科目は「消耗品費」としておけば問題ありません。
勘定科目・仕訳例
借方 | 貸方 | 摘要 |
消耗品費 8,000円 | 事業主借 8,000円 | WordPressテーマ代 |
有料のWordPressテーマを購入し、個人のクレジットカードで支払った場合の仕訳例は上記のとおりです。
レビュー用商品の購入費
アフィリエイターとして活動していると、レビュー記事を書くために商品を購入するケースも多いでしょう。
アフィリエイトサイトに掲載する記事を書くためであれば、
- 小説や漫画
- ゲーム
- 飲食料品
- サプリメント
などの購入費用も経費としてOKです。
ただし、買ったものの記事を書かなかったという場合は、経費として認められません。
勘定科目・仕訳例
借方 | 貸方 | 摘要 |
新聞図書費 1,000円 | 普通預金 1,000円 | 書籍代(レビュー記事用) |
レビュー記事を書くために小説を購入し、事業用の口座から支払った場合は、上記のように仕訳しましょう。
パソコン代
パソコン代も経費として計上できますが、以下のように、金額によって処理方法を変えなければなりません。
- 10万円以上の場合:固定資産として減価償却する(勘定科目:器具備品)
- 10万円未満の場合:全額まとめて経費とする(勘定科目:消耗品費)
10万円以上の高額なものは固定資産となるため、全額をまとめて経費計上することはできないのです。
勘定科目・仕訳例
借方 | 貸方 | 摘要 |
器具備品 180,000円 | 普通預金 180,000円 | パソコン代 |
18万円のパソコンを購入した場合、固定資産として処理する必要があります。
上記のように、勘定科目「器具備品」として仕訳しましょう。
借方 | 貸方 | 摘要 |
消耗品費 90,000円 | 事業主借 90,000円 | パソコン代 |
一方、9万円のパソコンを購入して、個人のクレジットカードで支払った場合は、上記のように仕訳します。
10万円未満であるため、全額まとめて経費としてOKです。
セミナー参加費
アフィリエイトやWebマーケティングに関するセミナーへの参加費も、経費として計上できます。
勘定科目・仕訳例
借方 | 貸方 | 摘要 |
研修費 10,000円 | 普通預金 10,000円 | セミナー参加費 |
アフィリエイトセミナーの参加費1万円を事業用の口座から支払った場合は、上記のように仕訳します。
勘定科目は「研修費」などとして処理しましょう。
書籍代
アフィリエイトの勉強をするために買った参考書などの費用も、経費として問題ありません。
以下のような本であれば、経費として認められるでしょう。
- アフィリエイト
- SEO
- Webライティング
- Webマーケティング
前述のとおり、レビュー用に購入した本の費用も経費として計上できます。
勘定科目・仕訳例
借方 | 貸方 | 摘要 |
新聞図書費 1,400円 | 事業主借 1,400円 | 書籍代 |
マーケティングの基礎知識を習得するために参考書を購入し、個人の現金で支払った場合、上のように仕訳を行います。
***
ここまで紹介したように、さまざまな費用が経費として認められます。また、紹介した費用以外でも、アフィリエイトの事業に関係していれば経費計上して問題ありません。
経費についての根本的な考え方を理解しておくと、より節税効果が高まるので、以下の本などで軽く勉強しておくとよいでしょう。
アフィリエイターの経費管理には確定申告ソフトがおすすめ!
ここまで紹介したように、アフィリエイトに関係するものであれば、さまざまな費用を経費として計上できます。
無駄に支出を増やすべきではありませんが、できるだけ多くの費用を経費として計上したほうが節税につながるでしょう。
とはいえ、経費の管理には手間もかかるため、以下のような確定申告ソフトを利用するのがおすすめです。
確定申告ソフト名 | 料金(税込) | 備考 |
やよいの青色申告オンライン![]() | 8,800円〜/年 | 初年度無料 |
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- クレジットカードや銀行口座と連携できる
- 領収書やレシートが自動で仕訳される
- 確定申告書が自動で作成される
といったメリットを得られ、経費管理や確定申告のストレスから解放されます。
勘定科目や仕訳についての専門知識がなくても簡単に使えるので、ぜひ試してみましょう。
初心者でも使いやすい確定申告ソフトについては、次の記事で紹介していますので参考にしてみてください。
アフィリエイトの経費を計上するときの4つのポイント
アフィリエイトに限りませんが、経費計上する際には、以下のようなポイントに注意しましょう。
- 領収書やレシートを保管しておく
- 家事按分をうまく活用する
- 無駄な支出は避ける
- 経費として認められない費用もある
順番に詳しく解説していきます。
1.領収書やレシートを保管しておく
事業に関する費用を経費として計上する場合は、領収書やレシートを保管しておくのが基本です。
フリーランスの場合、所得税法によって以下のような保管期間が定められています。
- 青色申告の場合:7年間(前々年の所得が300万円以下の場合は5年間)
- 白色申告の場合:5年間
飲食代やレビュー商品の購入費用などは、仕事に関係するものであることを証明するために、以下のような対策をしておくとよいでしょう。
- カフェの領収書に打ち合わせ相手の名前を記載しておく
- 打ち合わせ内容を議事録として残しておく
- レビュー記事を保存しておく
万が一、税務調査で指摘されたときに、しっかりと説明できるように準備しておくことが大切です。
2.家事按分をうまく活用する
たとえば、1台のパソコンを仕事とプライベートの両方で使っている、というアフィリエイターも多いでしょう。
事業とは無関係の費用まで経費として申告すると、ペナルティを受ける可能性もあるため、「完全に事業用」と言い切れないものは家事按分しておくのがおすすめです。
パソコンだけではなく、
- 家賃
- 電気代
- インターネット代
などについても、家事按分をうまく活用しましょう。
3.無駄な支出は避ける
支出をできるだけ経費として計上すると節税につながりますが、無駄な出費を増やすことには意味はありません。
必要な商品やサービスだけを購入し、うまく経費として計上していきましょう。
4.経費として認められない費用もある
経費として認められない費用もあるため注意しましょう。
たとえば、所得税や住民税などは、義務であるため経費としては計上できません。
国民健康保険や国民年金も同様です。
アフィリエイターは経費にできるものを把握して節税しよう!
今回は、アフィリエイターが経費として計上できるもの、勘定科目や仕訳例を紹介しました。
できるだけ多くの費用を経費として計上したほうが節税につながります。
経費にできるものをしっかりと把握して、節税していきましょう。
経費管理の手間を減らすためには、以下のような確定申告ソフトの活用も大切です。
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アフィリエイターの節税には青色申告もおすすめ
アフィリエイターに限らずですが、青色申告によって65万円の特別控除を受けることも節税につながります。
難しいイメージのある青色申告ですが、確定申告ソフトを使えば意外と簡単にできますので、ぜひチャレンジしてみましょう。
次の記事では、青色申告の流れをわかりやすく解説していますので、参考にしてください。