整文とは?9つのコツを例文を使って解説

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テープ起こし・文字起こしの「整文」とは?コツを紹介

テープ起こしや文字起こしは、初心者でも始めやすい副業のひとつです。

とはいえ、テープ起こしや文字起こしには、

  • 素起こし
  • ケバ取り
  • 整文

といった複数の方法があるため、それぞれの違いを理解しておく必要があります。

この記事では、整文について例文を用いて解説しますので、ぜひ参考にしてください。

例文で解説!整文とは?

整文とは?テープ起こし・文字起こしの基本

整文とは、相槌や笑い声などの不要な部分を削除したうえで、読みやすい文章に整えることです。

整文を行うときは、

  • 整えるべき部分・そのままにすべき部分
  • 素起こし・ケバ取りとの違い

をしっかりと理解しておく必要があります。

ここでは、整文に関する基礎知識を紹介しますので、チェックしておきましょう。

整文とは語順や重複表現などを修正する作業

テープ起こしや文字起こしにおける整文では、

  • 語順
  • ら抜き言葉・い抜き言葉
  • 重複表現
  • 助詞の不足

などを修正して、読みやすい文章にします。

会話のなかでは、倒置表現や重複表現が意外と多く使われており、そのままテキスト化するとスムーズに読むことができません。

話し言葉と書き言葉の違いを意識しながら、読みやすく整えましょう。

素起こし・ケバ取り・整文の違い

音声をテキスト化する方法は、大きく以下の3つに分けられます。

  • 素起こし:音声をそのままテキスト化する
  • ケバ取り:相槌・言い淀みなどを削除する
  • 整文:語順や重複表現などを修正する

それぞれの方法の違いを例文で確認してみましょう。

例文1
音声:えっと、32歳のときに、えー、文章を書く仕事を始めようと思ったんです。
素起こし:えっと、32歳のときに、えー、文章を書く仕事を始めようと思ったんです。
ケバ取り:32歳のときに、文章を書く仕事を始めようと思ったんです。
整文:32歳のときに、文章を書く仕事を始めようと思いました。

素起こしでは、音声をそのままテキスト化しています。

ケバ取りでは、「えっと」「えー」といった意味のない言葉(ケバ)を削除しました。

さらに整文では、話し言葉を修正して読みやすくしています。

次の例文も見てみましょう。

例文2
音声:あの、まず最初に発表したんです、私が……。
素起こし:あの、まず最初に発表したんです、私が……。
ケバ取り:最初に発表したんです、私が。
整文:私が最初に発表したのです。

「まず最初に」は重複表現なのですが、素起こしではそのままテキスト化します。

ケバ取りでは、沈黙部分や意味のない言葉を削除し、明らかな間違いを修正しましょう。ただし、語順についてはそのままにしておきます。

整文では、語順を入れ替え、話し言葉を修正しましょう。

整文するときの9つのコツ

会話のなかではあまり気にならなくても、文字に起こしてみると意外と多くの間違いがあるものです。

次のようなポイントで整文を行い、読みやすい文章に修正しましょう。

  1. 語順を入れ替える
  2. ら抜き言葉・い抜き言葉・さ入れ言葉を修正する
  3. 重複表現を修正する
  4. 助詞の不足や間違いを修正する
  5. 日本語の間違いを修正する
  6. 話し言葉を修正する
  7. 方言を標準語に変換する
  8. 長すぎる文を区切る
  9. 聞き取れない部分を補完する

以下、それぞれのコツを例文で解説します。

1.語順を入れ替える

例文(語順)
音声:土曜日は公園で遊んでいました、子どもと一緒に。
整文:土曜日は、子どもと一緒に公園で遊んでいました。

倒置表現は会話のなかに多く登場します。

整文では正しい語順に入れ替えましょう。

2.ら抜き言葉・い抜き言葉・さ入れ言葉を修正する

例文(ら抜き言葉)
音声:この店では、500円で定食を食べれます。
整文:この店では、500円で定食を食べられます。

例文(い抜き言葉)
音声:その日も私は仕事をしてました。
整文:その日も私は仕事をしていました。

例文(さ入れ言葉)
音声:意見を言わさせていただきました。
整文:意見を言わせていただきました。

  • ら抜き言葉
  • い抜き言葉
  • さ入れ言葉

は、会話のなかで使用されることも多いのですが、文法的には正しくありません。

その人らしさを出すために残す場合もありますが、基本的には修正しましょう。

3.重複表現を修正する

例文(重複表現)
音声:私は頭痛が痛かったので、病院に行きました。
整文:私は頭が痛かったので、病院に行きました。

話し言葉でよく使われる、以下のような重複表現も修正します。

  • まず最初に → まず or 最初に
  • 約10年ほど前に → 約10年前に or 10年ほど前に

二重敬語なども修正しましょう。

4.助詞の不足や間違いを修正する

例文(助詞の不足)
音声:彼、真面目に仕事していました。
整文:彼は、真面目に仕事をしていました。

上の例文では、不足していた助詞「は」「を」を追加しました。

助詞が間違っている場合も修正しましょう。

5.日本語の間違いを修正する

例文(日本語の間違い)
音声:具体的にシュミレーションしておきましょう。
整文:具体的にシミュレーションしておきましょう。

「シュミレーション」はよくある間違いです。「シミュレーション」と正しい表記に修正しましょう。

以下のような言葉も間違いであるため、修正が必要です。

  • アボガド → アボカド
  • うる覚え → うろ覚え

6.話し言葉を修正する

例文(話し言葉)
音声:こんな事件が起こるとは思わなかった。
整文:このような事件が起こるとは思わなかった。

次のような言葉も修正しましょう。

  • そんな → そのような
  • どんな → どのような
  • いろんな → いろいろな

7.方言を標準語に変換する

例文(方言)
音声:本を読むことが好きやねん。
整文:本を読むことが好きです。

話者の個性を出すために、方言のままテキスト化することもありますが、基本的には標準語に変換しましょう。

8.長すぎる文を区切る

例文(長すぎる文)
音声:彼が会社を辞めると言ったので、私は驚いて、すぐに彼女に報告したら、彼女もびっくりしていました。
整文:彼が会社を辞めると言ったので、私は驚きました。すぐに彼女に報告したら、彼女もびっくりしていました。

1つの文が長く続くと読みにくいため、不自然にならない程度に区切るとよいでしょう。

9.聞き取れない部分を補完する

例文(聞き取れない部分)
音声:彼は本当にゆうし……な部下だと思います。
整文:彼は本当に優秀な部下だと思います。

会話の流れや文脈から推測できる場合は補完しましょう。

推測できない場合は、「◯◯(@0:22:05)」などと記載しておきます。

あえて整文をしないほうがよい場面とは?

整文を行うと読みやすい文章にはなりますが、

  • その人らしさ
  • 話し手の感情
  • 会話の熱量
  • リアリティ

などが失われてしまう場合もあります。

ある程度は話し言葉を残す、ケバ取りだけを行うなど、テキスト化の目的や掲載するメディアのイメージに合わせて対応しましょう。

文章をどのくらい整えるかはクライアントによっても異なるため、指示をしっかりと確認しておくことが大切です。

整文を理解してテープ起こしの仕事を始めよう!

今回は、テープ起こしや文字起こしの方法のひとつである、整文について解説しました。

クライアントからの依頼に対応できるよう、コツをしっかりと理解しておきましょう。

素起こしとケバ取りについては、次の記事で詳しく解説していますので、あわせて読んでみてください。

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