テープ起こしの基本「ケバ取り」とは?例文で解説

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テープ起こし・文字起こしの「ケバ取り」とは?

テープ起こしや文字起こしは、副業や在宅ワークとして人気がある仕事のひとつです。

テープ起こしや文字起こしには、

  • 素起こし
  • ケバ取り
  • 整文

といった複数の方法があるため、仕事を始める前にしっかりと理解しておきましょう。

この記事では、ケバ取りについて例文を用いて解説しますので、ぜひ参考にしてください。

例文で解説!ケバ取りとは?

ケバ取りとは?テープ起こし・文字起こしの基本

ケバ取りとは、相槌や笑い声などの不要な部分(ケバ)を削除することです。

簡単な作業のように思えますが、

  • 削除するもの・しないもの
  • 素起こし・整文との違い

をしっかりと理解しておく必要があります。

ここでは、ケバ取りに関する基礎知識を紹介しますので、チェックしておきましょう。

ケバ取りでは笑い声や相槌などを削除する

ケバ取りでは、

  • 笑い声
  • 相槌
  • 言い淀み
  • 言い間違い

などを削除して、読みやすい文章にします。

「えっと」「あのー」といった言い淀みや沈黙部分などを削除して、スッキリとした文章にしましょう。

コノハ
コノハ

ただし、語順などはできるだけ音声に忠実にテキスト化します!

素起こし・ケバ取り・整文の違い

テープ起こし・文字起こしには、次の3つの方法があります。

  • 素起こし:音声をそのままテキスト化する
  • ケバ取り:相槌・笑い声・言い間違いなどを削除する
  • 整文:読みやすく整える

それぞれの方法の違いを例文で確認してみましょう。

例文1
音声:えっと、そのときにフリーランスにね、なろうと思ったんです。
素起こし:えっと、そのときにフリーランスにね、なろうと思ったんです。
ケバ取り:そのときにフリーランスになろうと思ったんです。
整文:そのときにフリーランスになろうと思いました。

素起こしでは、音声をそのままテキスト化しています。

ケバ取りでは、「えっと」「ね」といった不要な言葉(ケバ)を削除しました。

さらに整文では、話し言葉を修正して読みやすくしています。

次の例文も見てみましょう。

例文2
音声:馬から落馬して骨折してしまったんです、彼が……。
素起こし:馬から落馬して骨折してしまったんです、彼が……。
ケバ取り:落馬して骨折してしまったんです、彼が。
整文:彼が落馬して骨折してしまったのです。

「馬から落馬する」は間違った表現なのですが、素起こしではそのままテキスト化します。

ケバ取りでは、明らかな間違いを修正し、沈黙部分を削除しましょう。ただし、語順についてはそのままにしておきます。

整文では、語順を入れ替え、話し言葉を修正しましょう。

ケバ取りで削除すべき8つの言葉

ケバ取りでは、一般的に次のような言葉を削除します。

  1. 笑い声
  2. 相槌
  3. 言い淀み
  4. 言い間違い
  5. 日本語の間違い
  6. 自問自答
  7. 口癖
  8. 沈黙部分

それぞれのポイントを例文でチェックしていきましょう。

1.笑い声

例文(笑い声)
音声:思い出すだけで笑えるんですが、アッハッハ、彼が転んだんです。
ケバ取り:思い出すだけで笑えるんですが、彼が転んだんです。

笑い声は会話の内容と直接関係ないため、削除しましょう。

ただし、笑い声も重要であると判断して残しておくケースもあります。

2.相槌

例文(相槌)
音声:これが私の作品です、はい。
ケバ取り:これが私の作品です。

この例文の「はい」は、自分の発言に対する相槌で、とくに意味がないため削除します。

対談などで、相手の質問に答える場合の「はい」は残しておきましょう。

3.言い淀み

例文(言い淀み)
音声:わ、私は、えっと、会話が苦手なんです。
ケバ取り:私は会話が苦手なんです。

「えー」「あのー」といった言い淀みも削除しましょう。

4.言い間違い

例文(言い間違い)
音声:チームにしょじょく……所属するメンバーを対象とします。
ケバ取り:チームに所属するメンバーを対象とします。

ケバ取りでは、上記のような

  • 言い間違い
  • 噛んでしまった部分

なども修正します。

5.日本語の間違い

例文(日本語の間違い)
音声:事前にシュミレーションしておきましょう。
ケバ取り:事前にシミュレーションしておきましょう。

「シュミレーション」はよくある間違いです。「シミュレーション」と正しい表記に修正しましょう。

話し言葉で使われがちな、以下のような重複表現も修正します。

  • 頭痛が痛い → 頭が痛い or 頭痛がする
  • 馬から落馬する → 馬から落ちる or 落馬する
  • まず最初に → まず or 最初に
  • 約5年ほど前に → 約5年前に or  5年ほど前に

6.自問自答

例文(自問自答)
音声:このパソコンは、えっと、いくらくらいだったかな……あ、12万円くらいでした。
ケバ取り:このパソコンは12万円くらいでした。

自分に問いかけるような部分は、話の本筋と関係ないため削除しましょう。

7.口癖

例文(口癖)
音声:要するに、私が言いたいのは、えっと、要するに、この仕事を最優先すべきってことです、要するに。
ケバ取り:要するに、私が言いたいのは、この仕事を最優先すべきってことです。

口癖のような言葉は削除しましょう。

  • つまり
  • ちょっと
  • なんか

などが1つの文中に何度も登場する場合も削除します。

ただし、話者の個性を出したい場合は、読みにくくならない程度に残しておくとよいでしょう。

8.沈黙部分

例文(沈黙部分)
音声:……急に彼が会社を辞めたいと言ったので……、私は驚いたんです……。
ケバ取り:急に彼が会社を辞めたいと言ったので、私は驚いたんです。

ケバ取りでは、

  • 会話の間
  • 考えている間

などの沈黙部分は削除します。

あえてケバ取りをしないほうがよい場面とは?

ケバ取りをすることで読みやすい文章になりますが、

  • その人らしさ
  • 話者の感情
  • 会話の熱量
  • リアリティ

などが失われてしまう場合もあります。

ケバ取りをしない「素起こし」のほうが適しているケースもあるため、状況に応じて使い分けましょう。

  • 裁判記録
  • カウンセリング記録

などの文字起こしをする場合は、発言内容を正確に記録したり、話者の感情を把握したりすることが目的であるため、素起こしを行うのが一般的です。

コノハ
コノハ

どの程度ケバ取りするかはクライアントによっても異なるため、指示をしっかりと理解したうえで作業しましょう!

ケバ取りを理解してテープ起こしの仕事を始めよう!

今回は、テープ起こしや文字起こしの方法のひとつである、ケバ取りについて解説しました。

クライアントからの依頼に対応できるよう、ポイントをしっかりと理解しておきましょう。

素起こしと整文については、次の記事で詳しく解説していますので、あわせて読んでみてください。

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