例文で学ぶ!単文・重文・複文の違いとは?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
単文・重文・複文とは?例文で解説

日本語の文は、単文・重文・複文の3つに分けられます。

それぞれ特徴が異なるため、状況に応じて使い分けることが大切です。

この記事では、

  • 単文・重文・複文の違い
  • 使い分けのポイント

などについて例文で解説します。

読みやすい文章を書きたい人は、ぜひチェックしておきましょう。

例文で解説!単文・重文・複文とは?

単文・重文・複文とは?

日本語の文は、次の3つに分けられます。

  • 単文:主語と述語の組み合わせが1つだけの文
  • 重文:主語と述語の組み合わせが2つ以上あり、対等な関係で並んでいる文
  • 複文:主語と述語の組み合わせが2つ以上あり、主従の関係になっている文

それぞれの特徴について順番に確認していきましょう。

単文とは「主語と述語の関係性が1つだけの文」

単文の特徴は、主語と述語の組み合わせが1つだけであることです。

次の例文を読んでみてください。

単文の例

これらの文中には、主語と述語の組み合わせが1つしかないですよね。

単文のメリットは、シンプルで理解しやすいことです。ただし、単文ばかりが続くと、単純すぎて稚拙な文章になってしまうため注意しましょう。

重文とは「2つ以上の主述の関係が対等に並んでいる文」

重文の特徴は、主語と述語の組み合わせが2つ以上あり、対等な関係で並んでいることです。

例文で見てみましょう。

重文の例

これらの文中には、主語と述語の組み合わせが2つ以上ありますよね。それぞれの組み合わせは、対等な関係であることもわかります。

たとえば(1)の文には、

  • 「私は」→「読み」
  • 「彼は」→「見る」

という2つの組み合わせがありますが、順序を入れ替えて「彼はテレビを見て、私は本を読む。」としても意味はほぼ変わりません。

重文を用いることで、2つの物事を対比的に表現したり、並列的な情報をまとめて記載したりすることが可能です。

ただし、(2)の例文のように列挙しすぎると、ダラダラとした印象の文になるため注意しましょう。

複文とは「2つ以上の主述の組み合わせが主従の関係になっている文」

複文の特徴は、主語と述語の組み合わせが2つ以上あり、主従の関係になっていることです。

次の例文を見てみましょう。

複文の例

重文と同様、これらの文中には、主語と述語の組み合わせが2つ以上あります。重文と異なるのは、それぞれが対等ではなく、主従の関係になっている点です。

たとえば(1)の文には、

  • 「準備が」→「終わらない」
  • 「私は」→「出発できない」

という2つの組み合わせがありますが、これらの関係は対等ではありません。

「私は出発できない」というメインの文があり、「準備が終わらない」という文は、その理由を示しています。

(2)と(3)の例文も同様に、主と従の部分で構成されており、順序を入れ替えることはできません。

複文を用いることで、理由や原因、目的などをスマートに表現できます。

ただし、主語と述語の組み合わせが多すぎると理解しにくい文になってしまうため、バランスをうまく調整しましょう。

例文で解説!単文・重文・複文を見分ける2つのポイント

単文・重文・複文を見分けるときは、

  1. 述語がいくつあるか
  2. 述語が対等の関係で並んでいるか

というポイントに注目しましょう。

以下、それぞれのポイントについて解説します。

1.述語が1つだけの場合は単文

単文・重文・複文を見分けるときは、まず文中に述語がいくつあるかをチェックします。

主語は省略されている場合もあるため、述語に注目しましょう。

次の例文は、単文・重文・複文のどれに該当するでしょうか?

例文
私は昨日の夜、このレースゲーム内で最も難しいコースにおいて、ゲーム好きな彼よりもよい記録を出した。

長い文ですが、述語は「出した」だけですよね。よって、この例文は単文です。

2.述語が対等の関係で並んでいる場合は重文

述語が2つ以上ある場合は、対等な関係かどうかをチェックします。

次の例文は、重文・複文のどちらでしょうか?

例文
(1)彼はレースゲームが好きで、私はパズルゲームが好きだ。
(2)私がよい記録を出したので、彼は驚いた。

例文(1)には、

  • (彼は)好きで
  • (私は)好きだ

という2つの述語があり、対等な関係で並んでいますよね。よって、例文(1)は重文です。

例文(2)には、

  • (私が)出した
  • (彼は)驚いた

という2つの述語があり、主従の関係になっていますよね。よって、例文(2)は複文です。

例文で解説!単文・重文・複文を使い分ける2つのコツ

読みやすい文を書くうえでは、単文・重文・複文をうまく使い分けることが重要です。

ここでは、使い分けのコツを2つ紹介しますので参考にしてください。

1.単文ばかりを連続させない

単文ばかりが連続すると、幼稚な文章になってしまうため注意しましょう。

次の例文を読んでみてください。

単文が連続している文章
私の趣味は読書です。
私の特技は料理です。
昨日、新しい小説を買いました。
早く読みたいです。

意味はわかりやすいのですが、単文が連続しているため、幼稚な印象を受けますよね。

重文や複文を用いて、次のように改善してみましょう。

重文・複文を適度に含む文章
私の趣味は読書で、特技は料理です。
昨日、新しい小説を買ったので、早く読みたいです。

情報がまとまり、スマートな文章になりました。

2.複雑すぎる重文や複文は適度に分割する

重文や複文の乱用にも注意しましょう。

次の例文を読んでみてください。

複雑すぎる文章
私は、彼が仕事をせずにインターネットをしていることや、嘘をついて会社を休んでいることに腹が立ったので上司に報告したのだが、まともに聞いてもらえなかったのでさらに腹が立ち、彼女に愚痴を言った。

重文や複文が絡み合っていて、理解しにくいですよね。ダラダラとした印象も受けます。

次のように適度に分割してみましょう。

適度に分割した文章
彼が仕事をせずにインターネットをしていることや、嘘をついて会社を休んでいることに、私は腹が立った。
上司に報告したのだが、まともに聞いてもらえなかったのでさらに腹が立ち、彼女に愚痴を言った。

勢いよく書いているときほど複雑な文章になりがちですので、しっかり読み直して、文の長さや構造を調整することが大切です。

単文・重文・複文を使い分けて美しい文章を書こう!

今回は、単文・重文・複文の違いや、使い分けのポイントについて解説しました。

3つの文をうまく組み合わせて、読みやすい文章を書きましょう。

読みやすい文章を書くポイントは、次の記事でも紹介していますので、あわせてチェックしてみてください。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

Comments are closed.