「〜たり」を用いた文章には、誤用が多く見られます。
会話の中ではあまり気にならないのですが、文章として書くと違和感を感じることも多いものです。
そこで今回は、「〜たり」の正しい使い方を例文付きで解説します。
目次
「〜たり」を使う際に注意すべき5つのポイント
「〜たり」を使う際の注意ポイントは以下の5つ。
- 「〜たり」は基本的に2回以上連続して使う
- 「〜たり」は他の物事の存在を暗示する
- 「〜たり」は状況の変化を強調する
- 「〜たり」を3回以上連続して使ってもOK
- 文が長い場合は後半の「〜たり」を忘れがち
順番に詳しく解説していきます。
1.「〜たり」は基本的に2回以上連続して使う
「〜たり」は並列助詞の1つであり、繰り返して使うのが基本です。
次のような使い方は避けましょう。
この例文では、「〜たり」が1回しか使われていません。
「書く」と「編集する」が対等な関係となるように、以下のように修正しましょう。
また、「〜たり」を使わない表現もあります。
「〜やら」や「〜なり」も並列助詞のため、同様に2回以上連続して使いましょう。
2.「〜たり」は他の物事の存在を暗示する
「〜たり」は、次の例文のように、他の物事の存在を暗示する場合にも使用されます。
この例文では、仕事や趣味の話以外にも、色々な話をしたことを暗示しています。
次の例文のように、単独で用いてもOKです。
文章を書くこと以外にも、仕事があることを暗示していますよね。
このように暗示する際に「〜たり」を単独で用いることは、誤用ではありません。
3.「〜たり」は状況の変化を強調する
次の例文のように、「〜たり」を使って状況の変化を強調できます。
上の例文では、「泣く・笑う」や「降る・止む」という対照的な言葉を並べて、変化が激しい様子を強調しています。
逆に、似たような言葉を並べて現在の状況を強調する場合もあります。
これらの例文では、「飛ぶ・跳ねる」や「見る・聞く」という似た言葉を並べて、今の状況を強調しているのです。
4.「〜たり」を3回以上連続して使ってもOK
「〜たり」は3回以上、連続して使用してもOKです。
この例文では、楽しい様子を強調しつつ、他にも何かあったことを暗示しています。
何回連続して使っても文法的には間違いではないのですが、文があまりにも長くなると読みにくいため注意しましょう。
次の文を読んでみてください。
「〜たり」が4回も使われており、ダラダラとした印象を受けますよね。
次のように改善してみましょう。
長すぎる場合は2文に分けるなどの工夫をしてみてください。
5.文が長い場合は後半の「〜たり」を忘れがち
ポイント1で、「〜たり」は2回以上連続して使うことを解説しましたが、文が長くなると後半の「〜たり」を忘れがちです。
この例文では、後半の「〜たり」が抜けています。
次の文のように、後半にも追加しましょう。
この表現でも文法的には間違っていませんが、もう少し改善すると次のような文章になります。
「〜たり」を3つ使うことで、バランスの悪さを改善しました。
「〜たり」を正しく使ってクオリティの高い文章を書こう
言葉は変化していくため、以前は誤用とされていたものが、正しい使い方として認められる場合もあります。
しかし、文章を書くことに関わる以上は、言葉の本来の意味や用法も知っておくべきでしょう。
誤用が多いと、発信した情報の信憑性まで疑われてしまいます。
少しずつ学んでいきましょう。