漢字・ひらがなの使い分け一覧!迷わず文章を書くポイントを紹介

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漢字・ひらがなの使い分け一覧

漢字とひらがなの使い分けに絶対的なルールはありません。

だからこそ、漢字で表記するか(閉じる)、ひらがなで表記するか(開く)、悩むことも多いでしょう。

そこでこの記事では、漢字とひらがなの使い分け方のポイントを紹介します。

絶対的なルールはないものの、ある程度の根拠をもって自分の表記ルールを決めておくと、迷わずスムーズに文章を書けるでしょう。

コノハ
コノハ

一覧表にはOK・NGと記載しましたが、新聞やWebサイト、小説や論文など、メディアによって適切な表記方法は異なりますし、好みの問題もありますので、あくまでも目安と考えてください!

漢字・ひらがなの使い分けに関する絶対的なルールは存在しない

漢字で書くか、ひらがなで書くか、使い分けに関する絶対的なルールはありません。

だからこそ悩むことも多いですよね。

コノハ
コノハ

多くのクライアントから仕事を受けてきましたが、それぞれ悩みながら表記ルールを作成しているように感じます!

たとえば以下のようなイメージで、クライアントごとの表記ルールは異なります。

クライアントAクライアントB
おこなう行う
例えばたとえば
とおり通り
そのうえその上

クライアントAはひらがなを推奨しているのかなと思いきや、「例えば」は漢字で書くなど、なんとなく行き当たりばったりで表記ルールを決めているようにも感じます。

表記ルールは品詞ごとに決めておくとわかりやすい

漢字・ひらがなの使い分けルールは、品詞ごとに決めておくとよいでしょう。

言葉ごとに決めていくと、ルールを覚えるのが大変だからです。

また、ルールに記載していない言葉について、どちらで表記するか悩んでしまいます。

  • 形式名詞はひらがな
  • 補助動詞はひらがな
  • 接続詞はひらがな

などと品詞ごとにルールを決めておけば、迷う場面を減らしてスムーズに執筆できるでしょう。

漢字・ひらがなの使い分けを6つのポイントで紹介

ここでは、6つのポイントで漢字とひらがなの使い分け方を紹介します。

私も、“基本的には”ここに記載しているルールに従って文章を書いています。

“基本的には”と書いたのは、ルールに従いつつも、記事の内容や文章の流れに合わせて例外的な対応をしたり、閉じるか開くかを微調整したりしているからです。

以下の表を参考にしつつ、自分なりのルールを作ってみてください。

1.形式名詞はひらがなで書く

形式名詞とは、実質的な意味がない名詞や、本来の意味が薄くなっている名詞のことです。

形式名詞は、漢字ではなくひらがなで書くのが一般的です。

OKNG
こと
もの
わけ
はず
うち
ところ
ほう
とおり通り
とき

次の例文中の「こと」「ほう」「とおり」は形式名詞であるため、ひらがなで記載しています。

例文
・私は文章を書くことが好きだ。
・私より彼のほうが人気者です。
・私の言うとおりに行動してほしい。

同じ「こと」「ほう」「とおり」でも、実質的な意味がある場合(実質名詞)は漢字で書いてもOKです。

次の例文中の「事」には「出来事」、「方」には「方角」、「通り」には「道」という実質的な意味があるため、漢字で表記しています。

例文
・私はの重大さに気づいた。
・彼は西のへ向かった。
・私の店はこの通りにある。

2.補助動詞はひらがなで書く

補助動詞とは、形式名詞と同様に、本来の意味が薄れている動詞のことです。

補助動詞もひらがなで書きましょう。

OK NG
いく 行く
くる 来る
みる 見る
おく 置く
ください 下さい
いただく 頂く

次の例文中の「いく」「くる」「みる」は補助動詞であるため、ひらがなで書くのが一般的です。

例文
・彼は作業を続けていくらしい。
・私は食料を買ってくる
・この本を試しに読んでみる

以下の例文のように本来の意味で使う場合は、漢字で書きましょう。

例文
・彼の家へ行く
・私の家に来る
・テレビを見る

3.接続詞はひらがなで書く

接続詞もひらがなで書くほうが読みやすいでしょう。

接続詞を漢字で書くと、以下のような問題が起こります。

  • 「明日又は明後日」のように漢字が連続して読みにくい
  • 全体的に漢字の割合が大きくなり堅い印象になってしまう

ただし、公用文においては、常用漢字表に載っているものは漢字を用いる場合もあります。

OK NG
そのため その為
それゆえ それ故
したがって 従って
しかし 然し
たとえば 例えば
ただし 但し
なぜなら 何故なら
さらに 更に
そのうえ その上
くわえて 加えて
または 又は
および 及び
ならびに 並びに
あるいは 或いは
例文
たとえば、スマホやタブレットがあります。
そのうえ、彼は背も高い。
くわえて、本を読むことも重要です。

上の例文では接続詞をひらがなで書きましたが、単純に「例」「上」「加」などを必ずひらがなで書けばよい、というわけではありません。

以下の例文のように、名詞や動詞として本来の意味で使う場合は、漢字で書くのが適切です。

例文
として、スマホやタブレットがあります。
・机のに本を置く。
・砂糖を加える

4.副詞・連体詞・形容動詞はひらがなで書く

副詞や連体詞、形容動詞を開くか閉じるかは、悩みがちなポイントです。

いくつかのWebサイトの表記ルールを調べてみたところ、一定の決まりはなさそうでしたが、下表の言葉はひらがなで書くケースが多いようです。

OK NG
まったく 全く
すべて 全て
あまりに 余りに
おおむね 概ね
もっとも 最も
ともに 共に
ついに 遂に
たいへん 大変
たびたび 度々
すでに 既に
しだいに 次第に
さまざまな 様々な
いろいろな 色々な

5.副助詞はひらがなで書く

程度などを表す副助詞は、ひらがなで書くのが一般的です。

「この会社で10年働いている」と書くと、漢字が連続して読みにくいですよね。

「この会社で10年ほど働いている」と書くほうが読みやすいでしょう。

OK NG
くらい
など
ほど
ころ
まで

6.動詞・形容詞の一部はひらがなで書く

動詞や形容詞にも、ひらがなで書くほうが適切な言葉はあります。

OK NG
わかる 分かる
できる 出来る
ない 無い
よい 良い
例文
・私には彼女の気持ちがわかる
・彼はプログラミングができる
・この部屋には照明がない
よい方法を探す。

「理解する」という意味の場合は、上の例文のように「わかる」とひらがなで表記するのが適切です。

ただし、以下の例文のように「分割する」の意味の場合は、「分ける」と漢字で表記してもよいでしょう。

例文
材料を種類ごとに分ける

漢字とひらがなを使い分ける際の3つの注意点

漢字とひらがなを使い分ける際は、次の3つのポイントに注意しましょう。

1.無駄に漢字に変換するのは避ける

  • 漢字で書くほうがプロっぽい
  • 漢字を多用すれば頭がよいと思われそう

などと考えがちですが、実は逆です。

パソコンで変換すれば誰でも難しい漢字を書けるので、漢字を使ったからといって頭がよいと思われるわけではありません。

むしろ、「何も考えず適当に変換しているのでは……」と思われる可能性もあります。

  • そもそもの言葉の意味
  • 記事を掲載するメディアの読者層

などを考慮し、漢字とひらがなを使い分けましょう。

ひらがなを適度に使うほうがプロのように見え、読者に対しても親切です。

2.文章内での表記ゆれを避ける

この記事で紹介した使い分け方は目安ですので、自分なりの表記ルールを作っても問題ありません。

たとえば、「できる」はひらがなで書くのが一般的ですが、「出来る」と表記してもOKですし、実際に漢字で表記しているメディアもあります。

ただし、ひとつの文章内に「できる」と「出来る」が混在するのは避けましょう。

表記ゆれについては、以下の記事で詳しく解説しています。

3.全体的なバランスを考える

表記ルールに縛られると、ひらがなが多すぎて読みにくい文章になってしまう可能性もあります。

次の例文を読んでみてください。

例文
たとえば、ひらがなのほうがわかりやすいということもあります。

少し極端ですが、ひらがなが連続しすぎていて読みにくいですよね。

以下のように調整してみましょう。

例文
たとえば、ひらがなを使うほうが理解しやすいという場合もあります。

別の表現に変えたり、漢字を追加したりして、全体的に読みやすくすることが大切です。

漢字とひらがなの使い分けを例文で学ぶ

ここまでの内容を例文で確認しておきましょう。

例文
彼が言ったとおり、机のには勉強道具が乱雑に置かれていたうえ、床にも本が積まれていた。

漢字とひらがなの使い分けのポイントは以下のとおりです。

  • 言った:実際に口に出しているため漢字
  • とおり:形式名詞のためひらがな
  • :物理的な上下を表すため漢字
  • うえ:接続詞的に使っているためひらがな
例文
彼が転職したとき、私は驚いた。まったく予想していなかったからだ。しかし、転職の理由は、が経てばわかると思っていた。

ポイントは以下のとおり。

  • とき:形式名詞のためひらがな
  • まったく:副詞のためひらがな
  • :「時間」を意味する実質名詞のため漢字
  • わかる:「理解する」という意味のためひらがな

言葉の意味を考えて漢字・ひらがなを使い分けよう!

今回は、漢字とひらがなを使い分けるポイントや注意点を紹介しました。

冒頭で記載したとおり、使い分けに絶対的なルールはありません。

また、一般的な考え方はあるものの、時代によって変化していくことも考えられます。

  • 言葉の本来の意味
  • 記事を掲載するメディアの読者層
  • 自分の好み

なども考えながら、閉じるか開くかを決めましょう。

参考文献

以下の記事では、漢数字と算用数字の使い分けについて解説していますので、あわせて読んでみてください。

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