係り受けは、日本語の文章を書くうえで重要なポイントのひとつです。
係り受けが整理されていないと、読者にストレスを与えてしまうため注意しましょう。
この記事では、
- 係り受けの意味
- 係り受けを整えるコツ
について解説します。
読みやすい文章を書きたい人は、ぜひチェックしてみてください。
目次
例文で解説!係り受けとは?
係り受けとは、
- 主語と述語
- 修飾語と被修飾語
のような、係る言葉と受ける言葉の関係性のことです。
次の例文を読んでみてください。
この例文には、複数の係り受けが含まれています。
【主語と述語の係り受け】
- 「絵が」→「飾られている」
【修飾語と被修飾語の係り受け】
- 「美しい」→「絵」
- 「白い」→「壁」
- 「壁の」→「上部に」
- 「上部に」→「飾られている」
この文中の係り受けはシンプルであるため、理解しやすいですよね。
逆に係り受けが多すぎたり、複雑になったりすると、理解しにくい文になるため注意しましょう。
係り受けを整えるなら単文・重文・複文について知っておこう
係り受けを整えるなら、単文・重文・複文について理解しておきましょう。
それぞれの特徴は以下のとおりです。
- 単文:主語と述語の組み合わせが1つだけの文
- 重文:主語と述語の組み合わせが2つ以上あり、対等な関係で並んでいる文
- 複文:主語と述語の組み合わせが2つ以上あり、主従の関係になっている文
単文には、主語と述語の関係を理解しやすいというメリットがあります。ただし、単文ばかりが連続すると、幼稚な文章になってしまうため注意が必要です。
逆に重文や複文を乱用すると、複雑すぎて理解しにくい文章になるケースもあるため、うまくバランスを調整しましょう。
例文で解説!係り受けを整える5つのコツ
係り受けを整理して読みやすい文章を書くためには、次のポイントに注意しましょう。
- 複雑すぎる係り受けは適度に分割する
- 係り受けの距離を近づける
- 長い修飾語句を先に置く
- 受動と能動を使い分ける
- ひとつの述語で受けすぎない
それぞれのポイントについて順番に解説していきます。
1.複雑すぎる係り受けは適度に分割する
係り受けが複雑すぎる文は、読者にストレスを与えてしまいます。適度に分割して理解しやすい文章にしましょう。
たとえば次の文を読んでみてください。
文がとても長く、係り受けも複雑なため、わかりにくいですよね。
どのような構造になっているのか、文を分解してみましょう。
まずは主語と述語を把握します。
- 主語:担当になったのは
- 述語:Bさんである
主語に関する係り受けをチェックしてみましょう。
修飾語が多く、とても複雑であることがわかります。
述語についても見てみましょう。
こちらも複雑でわかりにくいですよね。
そこで「Aさん」までで句点を打って、以下のように分割してみます。
文が短くなり、かなり読みやすくなりました。
自分で読み返したときに理解しにくい場合は、分割してシンプルな係り受けにしましょう。
2.係り受けの距離を近づける
読みやすい文章を書くうえでは、係り受けの距離を調整することも重要です。
次の例文を見てみましょう。
「なぜ」という問いを受ける「決めたのだろうか」がなかなか出てこないため、ストレスを感じてしまいます。
「なぜ」が別の言葉に係っているようにも感じられますよね。
以下のように改善してみましょう。
係り受けの距離が近づいたため、読みやすくなりました。
係り受けの距離が遠いと誤読される可能性も高くなるため、
- 主語と述語
- 修飾語と被修飾語
は基本的には近くに置くようにしましょう。
3.長い修飾語句を先に置く
ひとつの言葉に複数の修飾語句が係る場合、基本的には長いものを先に配置しましょう。
次の例文を読んでみてください。
「家」には、
- 美しい
- 2階建ての
- 大きな庭のある
という3つの修飾語句が係っています。
短い修飾語句が先に置かれているため、
- 美しい2階建て…?
- 2階建ての大きな庭…?
などと誤読しそうになりますよね。
次のように修飾語句の順序を変更してみましょう。
長い修飾語句を先に置いたため、意味がわかりやすくなりました。
4.受動と能動を使い分ける
係り受けを整える際には、受動と能動の使い分けにも注意しなければなりません。
次の例文を見てみましょう。
「文章」という無生物の主語が、能動的に「公開」するのは違和感がありますよね。
以下のように改善してみます。
主語が無生物のときは、基本的に受動態で受けるようにしましょう。
5.ひとつの述語で受けすぎない
ひとつの述語に頼りすぎると、意味がわかりにくい文章になるケースもあります。
以下の例文を読んでみてください。
小説やエッセイは「読む」ものですが、音楽は「読む」ものではありません。
次の例文のように、正しい組み合わせに修正しましょう。
ひとつの述語で受けようとすると、違和感のある文章になりやすいため注意が必要です。
係り受けの関係を整理して読みやすい文章を書こう!
今回は、係り受けの関係を整えるコツについて解説しました。
調子よく書いているときほど、係り受けのミスは頻繁に発生します。
しっかりと読み返して、わかりにくい部分がないかチェックしましょう。
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