
補助形容詞(形式形容詞)とは、本来の意味が失われている形容詞のことです。
この記事では、
- 補助形容詞の特徴
- よく使われる補助形容詞
などについて例文付きで詳しく解説します。
補助形容詞とは?
補助形容詞は、形容詞のひとつで、次のような特徴をもっています。
以下、具体例を挙げながら見ていきましょう。
代表的な補助形容詞【例文付】
よく使われる補助形容詞は、次のとおりです。
ない
例文1
「この部屋にはエアコンがない。」
例文2
「今日は働きたくない。」
2つの例文には「ない」が使われていますが、意味は異なります。
例文1の「ない」は、「存在しない」という意味の形容詞です。
例文2の「ない」は補助形容詞で、「働きたく」に対して否定の意味を付け加えています。
ほしい
例文3
「私は仕事がほしい。」
例文4
「仕事をしてほしい。」
例文3の「ほしい」は、「手に入れたい」という意味の形容詞です。
例文4の「ほしい」は補助形容詞で、「して」に対して願望の意味を付け加えています。
補助形容詞は形容詞本来の意味をもっていない
補助形容詞には、形容詞本来の意味がありません。
または、意味が薄くなっている場合もあるでしょう。
形容詞「ない」には本来、「存在しない」という意味があります。
しかし、次の例文中の補助形容詞「ない」には、本来の意味はありません。
例文
「私はテレビを見ない。」
同様に、形容詞「ほしい」には本来、
- 手に入れたい
- 自分のものにしたい
といった意味があります。
次の例文中の補助形容詞「ほしい」は、本来の意味が薄れ、願望を表すような意味だけが残っています。
例文
「もっと本を読んでほしい。」
補助形容詞はひらがなで表記するのが一般的
補助形容詞は、本来の意味が失われていたり、薄くなっていたりするため、一般的にはひらがなで表記されます。
例文
「まだ寝たくない。」
「早く寝てほしい。」
一方、通常の形容詞は漢字で表記しても問題ありません。
例文
「僕のパソコンが無い。」
「パソコンが欲しい。」
補助形容詞は単体では用いられない
補助形容詞は、他の語と一緒に用いられます。
例文
「私は走りたくない。」
「もっと早く走ってほしい。」
上の例文のように、補助形容詞「ない」や「ほしい」は、前の語と一体的に使われます。
一方、通常の形容詞は単独で用いられます。
例文
「僕の靴がない。」
「この靴がほしい。」
補助形容詞を正しく使って読みやすい文章を書こう!
以上、補助形容詞の特徴を解説しました。
通常の形容詞と区別できるよう、しっかりと理解しておきましょう。
補助形容詞と同じく、本来の意味が薄れている動詞を「補助動詞」といいます。以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
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