
さっそくですが、次の例文を読んでみてください。
「が」と「の」の部分が異なりますが、文法的にはどちらを使っても問題ありません。
「が」と「の」は主格(行動の主体)を表す助詞です。
どちらを使っても、アイデアを考えた主体が「僕」であることを伝えられます。
ただ、ニュアンスは少し異なりますよね。この記事では、助詞を使い分けるポイントを詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
「が」と「の」を使い分けるポイント
先ほどの例文で考えてみましょう。
「が」を使うと、アイデアを考えたのは他の誰かではなく「僕」であるということを強調している感じがしますね。
一方で「の」を使うと、濁点がなくなることも影響して、少しやわらかい印象の文章になります。
前後の文脈によっても異なるため、絶対的なルールはありませんが、使い分けのポイントを以下にまとめてみました。
「が」を使うと対象が強調される
次の例文を読んでみてください。
(1)のように「が」を使うと、「彼」という対象を強調できます。
この文の前に「私の好きなものはハヤシライスだけれど」という文があったと仮定すると、「が」を選ぶことで、私とは異なる「彼」の好みをより強調できるでしょう。
「が」の連続は避ける
対象を強調したい場合でも、「が」の連続は避けたほうがよいでしょう。
(1)のように「が」が連続していると、少し稚拙な印象を与えてしまうかもしれません。
(2)のように「の」に置き換えると、「私の好きなもの」というフレーズを主語として把握しやすくなり、スムーズに読める文章になります。
「が」と「を」を使い分けるポイント
以下の例文を比較してみましょう。
「が」を使うと、さまざまな選択肢のなかからカレーを選んでいる雰囲気が伝わりますよね。
使い分けのポイントは以下のとおりです。
「が」を使うと対象を選んだ意思を強調できる
先ほどと同様、(1)のように「が」を使うと、コーヒーを選んだ意思を強調できます。
「が」の連続を避ける
(1)のように「が」を連続して使うと、少し読みにくいと感じてしまいます。
(2)のように「を」を使うか、「彼はコーヒーが飲みたいと言った」と書くなど、文脈に合わせて工夫するとよいでしょう。
「が」「の」「を」の使い分け改善例
ここまで紹介した内容をふまえて、読みやすい文章に改善してみましょう。
文法的な間違いはありませんが、「が」の連続によりリズムが悪く、言葉のまとまりを把握しにくいように感じます。
次のように改善してみましょう。
「が」を他の助詞に変えてみました。
次のような改善方法もあります。
少し調整するだけで読みやすくなるケースもあるため、書き終わったらじっくりと推敲してみるとよいでしょう。
「が」「の」「を」を使い分けて読みやすい文章を書こう!
今回は、迷いがちな「が」「の」「を」の使い分けについて解説しました。
細かい部分ですが、少し意識するだけで文章を大幅に改善できます。
適切な助詞を選んで、読みやすい文章を書きましょう。