「することができる」はNG?「できる」との違いや言い換え例を紹介

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
「することができる」は冗長表現?「できる」との違いを解説

「することができる」という表現は避けるべきという意見もありますが、うまく使うことで伝えたい内容が明確になるケースもあります。

この記事では、

  • 「することができる」は冗長表現なのか
  • 「することができる」と「できる」の違い

などについて詳しく解説します。

「することができる」は避けるべき?

「することができる」という表現は避けるべきなのでしょうか?

いくつかの視点から考えてみましょう。

文法的な間違いはない

次の2つの例文を比べてみましょう。

例文
(1)私はピアノを弾くことができる。
(2)私はピアノを弾ける。

ニュアンスは異なりますが、どちらも文法的な間違いはありません。

(1)は、

  • 主語:弾くことが
  • 述語:できる

という構造になっています。

(2)は、

  • 主語:私は
  • 述語:弾ける

という構造になっており、どちらもしっかりとした文として成立しています。

冗長表現として嫌われるケースもある

文法的な間違いはないものの、「することができる」という表現は冗長だと考える人もいます。

実際、使いすぎると冗長に感じることもあるため注意しましょう。

次の例文を読んでみてください。

例文
(1)私はピアノを弾くこともできるし、料理をすることもできる。
(2)私はピアノを弾けるし、料理もできる。

比較してみると、(1)は少しくどい感じがしますね。

推奨されるケースもある

さまざまなクライアントと仕事をしてきましたが、表記ルールはそれぞれ異なります。

実際、「することができる」は避けるべきとするクライアントもいましたし、逆にそう書くべきと考えるクライアントもいました。

絶対的なルールはなく、あとは好みの問題ともいえるでしょう。

「することができる」と「できる」の違い

先ほどの例文で違いを確認してみましょう。

例文
(1)私はピアノを弾くことができる。
(2)私はピアノを弾ける。

どちらも文法的な間違いはありませんが、ニュアンスは異なります。

「することができる」は行動に焦点を当てる表現

(1)のように「弾くことができる」と書くと、行動に焦点が当たります。

下記のように、行動が主語になっているからです。

  • 主語:弾くことが
  • 述語:できる

ちなみに、「彼は」の部分は主題であり、主語ではありません。

「彼はできる」と書くと意味が伝わらないため、主語は「弾くことが」となります。

「できる」は主体に焦点を当てる表現

(2)のように「弾ける」と書くと、行動の主体である「私」に焦点が当たります。

下記のように、主体「私」が主語になっているからです。

  • 主語:私は
  • 述語:弾ける

他の誰かではない「私」の存在や能力を強調したい場合は、「できる」を使うとよいでしょう。

「することができる」は誤解を与えにくい

次の例文を読んでみてください。

例文
(1)テレビを見ることができる。
(2)テレビを見られる。

(1)の場合、「見る」の可能表現であることが明らかです。

(2)の場合は、

  • 可能表現
  • 尊敬語

という2通りの解釈ができてしまいます。

前後の文脈から判断できる場合もありますが、誤解を与えたくないときは「することができる」を選ぶとよいでしょう。

適切な場面で「することができる」を使おう!

今回は、「することができる」と「できる」の使い方について解説しました。

どちらを使っても文法的には問題ありませんが、ニュアンスは異なります。

強調したい内容や前後の文脈などを考慮して、適切な表現を選びましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

Comments are closed.