
「することができる」という表現は避けるべきという意見もありますが、うまく使うことで伝えたい内容が明確になるケースもあります。
この記事では、
- 「することができる」は冗長表現なのか
- 「することができる」と「できる」の違い
などについて詳しく解説します。
目次
「することができる」は避けるべき?
「することができる」という表現は避けるべきなのでしょうか?
いくつかの視点から考えてみましょう。
文法的な間違いはない
次の2つの例文を比べてみましょう。
ニュアンスは異なりますが、どちらも文法的な間違いはありません。
(1)は、
- 主語:弾くことが
- 述語:できる
という構造になっています。
(2)は、
- 主語:私は
- 述語:弾ける
という構造になっており、どちらもしっかりとした文として成立しています。
冗長表現として嫌われるケースもある
文法的な間違いはないものの、「することができる」という表現は冗長だと考える人もいます。
実際、使いすぎると冗長に感じることもあるため注意しましょう。
次の例文を読んでみてください。
比較してみると、(1)は少しくどい感じがしますね。
推奨されるケースもある
さまざまなクライアントと仕事をしてきましたが、表記ルールはそれぞれ異なります。
実際、「することができる」は避けるべきとするクライアントもいましたし、逆にそう書くべきと考えるクライアントもいました。
絶対的なルールはなく、あとは好みの問題ともいえるでしょう。
「することができる」と「できる」の違い
先ほどの例文で違いを確認してみましょう。
どちらも文法的な間違いはありませんが、ニュアンスは異なります。
「することができる」は行動に焦点を当てる表現
(1)のように「弾くことができる」と書くと、行動に焦点が当たります。
下記のように、行動が主語になっているからです。
- 主語:弾くことが
- 述語:できる
ちなみに、「彼は」の部分は主題であり、主語ではありません。
「彼はできる」と書くと意味が伝わらないため、主語は「弾くことが」となります。
「できる」は主体に焦点を当てる表現
(2)のように「弾ける」と書くと、行動の主体である「私」に焦点が当たります。
下記のように、主体「私」が主語になっているからです。
- 主語:私は
- 述語:弾ける
他の誰かではない「私」の存在や能力を強調したい場合は、「できる」を使うとよいでしょう。
「することができる」は誤解を与えにくい
次の例文を読んでみてください。
(1)の場合、「見る」の可能表現であることが明らかです。
(2)の場合は、
- 可能表現
- 尊敬語
という2通りの解釈ができてしまいます。
前後の文脈から判断できる場合もありますが、誤解を与えたくないときは「することができる」を選ぶとよいでしょう。
適切な場面で「することができる」を使おう!
今回は、「することができる」と「できる」の使い方について解説しました。
どちらを使っても文法的には問題ありませんが、ニュアンスは異なります。
強調したい内容や前後の文脈などを考慮して、適切な表現を選びましょう。
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