表記ゆれは、文章を書く際に気をつけるべきポイントのひとつです。
表記ゆれが多い文章は読みにくく、読者が離れてしまう可能性もあります。
この記事では、
- 表記ゆれの概要
- 表記ゆれの具体例
- 表現を統一するコツ
などを解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
表記ゆれとは?
表記ゆれとは、ひとつの言葉に対して、複数の方法で表記してしまうことです。
文章内、またはWebサイト内で、以下のような2つの表現を混在させることは、表記ゆれといえるでしょう。
- スマートフォン / スマートホン
- Webサイト / WEBサイト
- 見積り / 見積もり
- コーヒー / 珈琲
どちらの表現も間違っているわけではありませんが、複数の表現が混在していると読者が混乱してしまう可能性もあります。
表記ゆれの多い文章の3つのデメリット
表記ゆれの多い文章には、次のようなデメリットがあります。
- 読者が文章に集中できない
- SEOに悪影響を与えるケースもある
- クライアントからの評価が下がる
順番に詳しく見ていきましょう。
1.読者が文章に集中できない
表記ゆれがあると、「何か意味があるのかな…?」と読者が無駄に深読みしてしまう可能性があります。
次の例文を読んでみてください。
「優しい / やさしい」と表記ゆれをしているため、単純なミスなのか、意図をもって使い分けているのか、気になってしまいますよね。
とくに意図がないのであれば表記を統一し、集中して文章を読んでもらいましょう。
2.SEOに悪影響を与えるケースもある
Webサイトにおける表記ゆれは、SEOに悪影響を与える可能性もあります。
たとえば、「スキル」と「技術」という2つの言葉を例に考えてみましょう。
「フリーランス,スキル」で検索した場合の結果と、「フリーランス,技術」で検索した場合の結果は、以下のように少し異なります。
検索結果が異なることから、
- 「スキル」と「技術」という言葉は似ているが少し異なる
- 「スキル」と「技術」の検索ニーズは異なる
と検索エンジンは判断していることが想像できます。
SEOを意識した記事を書くなら、検索エンジンの判断に寄り添うことが大切です。
仮に、「フリーランス,スキル」というキーワードでの上位表示を目指している記事の場合、文章内で「スキル」を「技術」に変えると、検索上位を獲得できない可能性もあります。
狙っているキーワードに合わせ、タイトルや見出しには「スキル」という言葉を用いたほうが上位獲得の可能性が高まるでしょう。
検索エンジンも進化しているため、「スキル≒技術」と理解してくれる可能性も高いのですが、対策キーワードについては表記ゆれを避けるほうが無難です。
3.クライアントからの評価が下がる
クライアントから依頼を受けて記事を書いている場合は、とくに表記ゆれに注意しなければなりません。
表記ゆれが多かったり、表記ルールに従っていなかったりすると、評価が下がってしまいます。
継続して依頼してもらえなくなる可能性もあるため注意しましょう。
よくある表記ゆれ一覧!具体例を紹介
ここでは、表記ゆれの具体例を紹介します。
漢字・ひらがな・カタカナの表記ゆれ
- 出来る / できる
- 又は / または
- 例えば / たとえば
- 米 / こめ / コメ
- 林檎 / りんご / リンゴ
漢数字・算用数字の表記ゆれ
- 三日間 / 3日間
- 五回目 / 5回目
- 一月一日 / 1月1日
カタカナ表現の表記ゆれ
- スマートフォン / スマートホン
- コンピューター / コンピュータ
- サーバー / サーバ
送り仮名の表記ゆれ
- 見積 / 見積り / 見積もり
- 申込 / 申込み / 申し込み
- 買取 / 買取り / 買い取り
- 行う / 行なう
全角・半角の表記ゆれ
- 30日間 / 30日間
- 500円 / 500円
大文字・小文字の表記ゆれ
- WEBサイト / Webサイト
- SEO / seo
略語の表記ゆれ
- イラレ / イラストレーター
- スマホ / スマートフォン
- ネット / インターネット
- PC / パソコン
擬音語・擬態語の表記ゆれ
- ポタポタ / ぽたぽた
- サラサラ / さらさら
- コロコロ / ころころ
である調・ですます調の表記ゆれ
- 〜である / 〜です
- 〜する / 〜します
表記ゆれを排除!表現を統一する3つのコツ
表記ゆれを避けるためには、次の3つのポイントに注意しましょう。
- 表記ルールを作成する
- 書き終えた後にしっかりとチェックする
- 表記ゆれチェックツールを使う
以下、それぞれのポイントについて順番に解説していきます。
1.表記ルールを作成する
表記ルールを作成することは、表記ゆれを避けるために有効です。
ExcelやGoogleスプレッドシートなどを使って一覧表を作成しておくとよいでしょう。
表記ルールは、1人でWebサイトを運営している場合はもちろん、複数のライターに記事作成を依頼する場合にも役立ちます。
以下の記事では、
- 漢字・ひらがなの使い分け
- 漢数字・算用数字の使い分け
について解説していますので、表記ルールを作る際の参考にしてください。
2.書き終えた後にしっかりとチェックする
当たり前ですが、文章を書き終えた後に全体を読み直して、表記ゆれがないかチェックすることも大切です。
長い文章になるほど、前半と後半で異なる表現をしてしまう可能性が高くなります。
表記ルールがあったとしても人為的なミスは起こるので、しっかりとチェックしましょう。
3.表記ゆれチェックツールを使う
表記ゆれの確認をスムーズに行うためには、チェックツールを利用するのがおすすめです。
代表的なチェックツールとしては、
- Word
- 文賢
などが挙げられます。
Wordにおいては、校閲タブの「スペルチェックと文章校正」から表記ゆれのチェックが可能です。
より高度なチェックを行いたい場合は、文章校正ツールである『文賢』などを利用するとよいでしょう。
この文章は表記ゆれに該当する?しない?例文で解説!
文章を書いていると、
- これは表記ゆれに該当するのかな?
- 表現を統一すべきなのかな?
などと悩むケースも多いでしょう。
ここでは、例文を用いて表記ゆれに該当するのか考えてみたいと思います。
例文1.スマートフォン / スマートホン / スマホ
上の文章内では、「スマートフォン / スマートホン / スマホ」という3つの表現が使われています。
まず、「スマートフォン / スマートホン」はどちらかに統一すべきでしょう。
一方、「スマホ」については悩むところです。
この文章内では、「スマホゲーム」という一般的な言葉として使われているため、表記ゆれではないと考えてもよいでしょう。
気になる場合は、次のように書き換えて表現を統一することも可能です。
- スマートフォンゲームをしすぎて…
- ゲームをしすぎて…
- スマートフォンでゲームをしすぎて…
文脈からスマホゲームであると容易に想像できるため、「スマホ」は削除して「ゲーム」と記載してもよさそうですね。
ここでは、以下のように修正してみました。
例文2.買取 / 買取り / 買い取り
送り仮名については、表記をどのように統一するか悩むケースも多いでしょう。
次の例文を読んでみてください。
上の文章内では「買取 / 買取って / 買い取って」という3つの表現が使われており、統一すべきか悩みますよね。
絶対的な決まりはありませんが、
- 動詞的に使う場合は送り仮名を付ける
- 名詞的(熟語的)に使う場合は送り仮名を付けない
という表記ルールにすると読みやすいでしょう。
このルールに従うなら、「買取って / 買い取って」は後者に統一すべきです。
一方、「買取業者」は熟語的に使われているため、そのままで問題ありません。
修正すると以下のような文章になります。
表記ゆれを排除して読みやすい文章を書こう!
今回は、表記ゆれについて詳しく解説しました。
表記ゆれが多いと、内容が正しく伝わらない可能性もあるため注意が必要です。
表記ルールを作成したり、チェックツールを導入したりして、できる限り表記ゆれを排除しましょう。