形容詞とは?活用や使い方を例文付きで解説

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形容詞とは、以下のような特徴をもつ言葉です。

  • ものごとの状態・性質や人の感情・様子を表す
  • 自立語である
  • 活用がある
  • 言い切りの形が「い」で終わる
  • 述語・修飾語・主語・接続語として使われる

この記事では、これらの形容詞の特徴について、例文付きでわかりやすく解説します。

よく使われる形容詞一覧【例文付】

新しい

例文
「私は新しい記事を書いている。」

古い

例文
古い考え方は捨てるべきだ。」

賢い

例文
「彼は私より賢い。」

優しい

例文
「しかし、私は彼より優しい。」

美しい

例文
「この庭の花は美しい。」

大きい

例文
「もっと大きい庭が必要だ。」

小さい

例文
小さい庭のほうが管理しやすい。」

深い

例文
「この湖はとても深い。」

浅い

例文
浅いプールでじゃれる。」

長い

例文
長いスピーチは避けるべきだ。」

短い

例文
短い文を心がけよう。」

明るい

例文
明るい部屋で本を読む。」

暗い

例文
暗い部屋で1人でテレビを見る。」

悲しい

例文
悲しい物語にも救いがある。」

楽しい

例文
「彼女との対話はとても楽しい。」

若い

例文
若いからといってバカにしてはいけない。」

美味しい

例文
「私には美味しいドーナツを探すというミッションがある。」

辛い

例文
「たまに辛いものが食べたくなる。」

甘い

例文
甘い言葉に騙される。」

高い

例文
高い壁のほうが登ったとき気持ちいい。」

低い

例文
低い山にも魅力はある。」

広い

例文
広い心が戻ればラッキーだと思う。」

狭い

例文
「本当は狭いところが大好きだ。」

形容詞の活用は5パターン

活用とは、言葉の語尾が変わることです。

形容詞の活用形は以下の5つ。

  • 未然形:助動詞「う」に連なる
  • 連用形:用言や助詞・助動詞に連なる
  • 終止形:言い切る形
  • 連体形:体言に連なる
  • 仮定形:助詞「ば」に連なる

形容詞の活用に命令形はありません。

形容詞「大きい」を例に活用を見てみましょう。

  • 未然形:大きかろ
  • 連用形:大きかった・大きくない
  • 終止形:大きい
  • 連体形:大きいとき
  • 仮定形:大きけれ

「大きい」だけでなく、他の形容詞も「かろ・かっ・く・い・い・けれ」と語尾が変化します。

形容詞の活用には、この1種類しかありません。

形容詞の活用における語幹と活用語尾

語幹とは活用しても変化しない部分、活用語尾とは変化する部分のことです。

形容詞「大きい」の場合は、「大き」が語幹、「かろ・かっ・く・い・い・けれ」の部分が活用語尾です。

形容詞の連用形には音便がある

音便とは、活用語尾の発音が変わることです。

形容詞の連用形には、次のような音便があります。

例文
「お寒ございます。」
「嬉しゅうございます。」

1つ目の文では、形容詞の連用形「寒く」が「ございます」に連なることによって、活用語尾が「う」に変わっています。

また、2つ目の文では、「嬉しく」が「嬉しゅう」と変化しています。

このように、活用語尾だけではなく、語幹も変化する場合もあるのです。

形容詞の使い方は4つ

形容詞の使い方には以下の4つがあります。

  • 述語として使う
  • 修飾語として使う
  • 主語として使う
  • 接続語として使う

それぞれの使い方について詳しく見ていきましょう。

1.形容詞を述語として使う

例文
「この村の人口は少ない。」
「予想していたほど辛くない。」

この例文のように、形容詞は単独で述語になったり、助詞や助動詞と一緒に述語になったりします。

2.形容詞を修飾語として使う

形容詞は、次の例文のように単独で修飾語として使えます。

例文
悲しい出来事が彼を成長させた。」
「彼の話を聞いていると悲しくなる。」

「出来事」という体言や「なる」という用言を修飾していますよね。

一方で、付属語をともなって修飾語になる場合もあります。

例文
悲しかった思い出を糧にする。」
「それほど悲しくはない。」

この例文では、付属語「た」や「は」をともないながら、修飾語になっています。

3.形容詞を主語として使う

形容詞は、助詞と一緒に主語として使えます。

例文
暑いのは嫌だと彼は言った。」
寒いのも嫌だと彼女は言った。」

上の例文では、形容詞の連体形に助詞「の」「は」「も」がくっついて主語になっています。

4.形容詞を接続語として使う

例文
「外は寒いので、部屋でブログを書こう。」
「外は寒いが、買い物には行きたい。」

この例文のように、形容詞を接続語として使う場合は、「ので」や「が」といった接続助詞が必要です。

形容詞と形容動詞の違いを2つのポイントで解説

形容詞と似た品詞として、形容動詞があります。

ここでは形容詞と形容動詞の違いについて、2つのポイントで解説していきます。

1.形容詞と形容動詞は言い切りの形が異なる

1つ目の違いは、言い切りの形です。

以下のように、形容詞の言い切りの形は「い」で終わり、形容動詞の言い切りの形は「だ」で終わります。

  • 形容詞:暖か
  • 形容動詞:きれい

2.形容詞と形容動詞は活用形が異なる

形容動詞にも活用がありますが、形容詞とは形が異なります。

前述のとおり、形容詞は以下のように活用します。

  • 未然形:暖かかろ
  • 連用形:暖かかった・暖かくない
  • 終止形:暖かい
  • 連体形:暖かいとき
  • 仮定形:暖かけれ

活用語尾は「かろ・かっ・く・い・い・けれ」と変化します。

一方、形容動詞の活用は以下のとおり。

  • 未然形:きれいだろ
  • 連用形:きれいだった・きれいでない・きれいになる
  • 終止形:きれいだ
  • 連体形:きれいなとき
  • 仮定形:きれいなら

活用語尾は「だろ・だっ・で・に・だ・な・なら」と変わっていきます。

補助形容詞とは本来の意味が薄れた形容詞

形容詞の中には、本来の意味が薄くなっている補助形容詞(形式形容詞)と呼ばれるものがあります。

例文
「今日はブログを書きたくない。」

この例文の「ない」は補助形容詞の1つです。

「存在しない」という本来の意味は薄れており、「書きたく」にくっついて否定の意味を付け加えています。

例文
「もっと本音を話してほしい。」

また、この例文中の「ほしい」も補助形容詞です。

「手に入れたい」という本来の意味は薄れており、「話して」にくっついて願望の意味を付け加えています。

補助形容詞については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

形容詞を正しく使ってわかりやすい文章を書こう!

以上、この記事では形容詞の活用や使い方について解説しました。

形容詞を上手に使えば、ものごとの様子や自分の感情を的確に伝えられます。

活用の形などをしっかりと確認して、わかりやすい文章を目指しましょう。

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