さ入れ言葉とは、
- 行かさせていただきます(さ入れ言葉)
- 行かせていただきます(正しい表現)
のように、無駄に「さ」を入れてしまった表現のことです。
意識せずに使っていることも多いのですが、文法的には正しくありません。
ビジネスシーンではもちろん、Webサイトの記事などを書くときにも使わないよう注意しましょう。
この記事では、
- さ入れ言葉の意味
- さ入れ言葉の見分け方
などについて例文を使って解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
例文で解説!さ入れ言葉とは不要な「さ」を入れた表現
さ入れ言葉とは「買い物に行かさせる」のように、不要な「さ」を入れた表現のことです。
助動詞「せる」を使うべき場面で「させる」を使ってしまうことで、さ入れ言葉が発生します。
以下の例文のような表現は、さ入れ言葉です。うっかり使わないよう気をつけましょう。
言わさせる
- 意見を言わさせていただきます(さ入れ言葉)
- 意見を言わせていただきます(正しい表現)
歌わさせる
- 無理やり歌わさせる(さ入れ言葉)
- 無理やり歌わせる(正しい表現)
行かさせる
- 先に行かさせていただく(さ入れ言葉)
- 先に行かせていただく(正しい表現)
読まさせる
- 子どもに本を読まさせる(さ入れ言葉)
- 子どもに本を読ませる(正しい表現)
買わさせる
- この服を買わさせていただきます(さ入れ言葉)
- この服を買わせていただきます(正しい表現)
書かさせる
- 宿題として感想文を書かさせる(さ入れ言葉)
- 宿題として感想文を書かせる(正しい表現)
休まさせる
- 明日は休まさせていただきます(さ入れ言葉)
- 明日は休ませていただきます(正しい表現)
歩かさせる
- 目的地まで歩かさせる(さ入れ言葉)
- 目的地まで歩かせる(正しい表現)
さ入れ言葉の見分け方を3つのポイントで解説
未然形にして「〜ない」を付けてみると、
- 「〜せる」を付けるべき動詞
- 「〜させる」を付けるべき動詞
のどちらなのかを簡単に見分けられます。
方法は以下のとおりです。
1.動詞を未然形にして「〜ない」を付ける
まずは以下のように未然形に変形させ、「〜ない」を付けてみましょう。
- 行く → 行かない
- 言う → 言わない
- 読む → 読まない
- 食べる → 食べない
- 着る → 着ない
- 受ける → 受けない
「〜ない」の直前がア段かそれ以外かをチェックします。
2.ア段の場合は「〜せる」を付ける
次の3つは「〜ない」の直前がア段のため、「〜せる」を付けましょう。
- 行かない → 「か」はア段 → 書かせる
- 言わない → 「わ」はア段 → 言わせる
- 読まない → 「ま」はア段 → 読ませる
間違って「〜させる」を付けると、「書かさせる」のように、さ入れ言葉になってしまいます。
3.ア段以外の場合は「〜させる」を付ける
一方、次の3つは「〜ない」の直前がア段ではないため、「〜させる」を付けるのが正解です。
- 食べない → 「べ」はエ段 → 食べさせる
- 着ない → 「着(き)」はイ段 → 着させる
- 受けない → 「け」はエ段 → 受けさせる
さ入れ言葉は本当に問題?
ここまで、さ入れ言葉の使用は避けるべきというスタンスで解説してきましたが、本当に使ってはいけないのでしょうか?
現状としては、正しい文法として認められていないため、さ入れ言葉を使うのは避けるべきでしょう。
さ入れ言葉に対して、
- 違和感や不快感を覚える人
- 幼稚な文章だと感じる人
も多いため注意が必要です。
ただし言葉は変化していくものであるため、さ入れ言葉を使う人が増えていけば、正しい表現として認められる可能性はあります。
慣用句の誤用が浸透して辞書に掲載されるのと同様、今後は、さ入れ言葉も一般的な表現として広まるかもしれません。
さ入れ言葉を排除して読みやすい文章を書こう!
以上、さ入れ言葉の意味や見分け方について解説しました。
今後は、さ入れ言葉に違和感を覚える人が減る可能性もありますが、現状としては間違った表現であると考える人が多いため、使わないほうがよいでしょう。
さ入れ言葉を使うと、読者に稚拙な文章だと思われる可能性もあります。とくにWebサイトの記事や一般的なビジネスメールを書く際は、使わないよう注意しましょう。
さ入れ言葉と同様、間違いやすい表現として、
- ら抜き言葉
- い抜き言葉
が挙げられます。
次の記事で詳しく解説していますので、あわせて読んでみてください。
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