テープ起こしや文字起こしは、初心者でも始めやすい副業のひとつです。
とはいえ、テープ起こしや文字起こしには、
- 素起こし
- ケバ取り
- 整文
といった複数の方法があるため、それぞれの違いを理解しておく必要があります。
この記事では、整文について例文を用いて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
例文で解説!整文とは?
整文とは、相槌や笑い声などの不要な部分を削除したうえで、読みやすい文章に整えることです。
整文を行うときは、
- 整えるべき部分・そのままにすべき部分
- 素起こし・ケバ取りとの違い
をしっかりと理解しておく必要があります。
ここでは、整文に関する基礎知識を紹介しますので、チェックしておきましょう。
整文とは語順や重複表現などを修正する作業
テープ起こしや文字起こしにおける整文では、
- 語順
- ら抜き言葉・い抜き言葉
- 重複表現
- 助詞の不足
などを修正して、読みやすい文章にします。
会話のなかでは、倒置表現や重複表現が意外と多く使われており、そのままテキスト化するとスムーズに読むことができません。
話し言葉と書き言葉の違いを意識しながら、読みやすく整えましょう。
素起こし・ケバ取り・整文の違い
音声をテキスト化する方法は、大きく以下の3つに分けられます。
- 素起こし:音声をそのままテキスト化する
- ケバ取り:相槌・言い淀みなどを削除する
- 整文:語順や重複表現などを修正する
それぞれの方法の違いを例文で確認してみましょう。
素起こしでは、音声をそのままテキスト化しています。
ケバ取りでは、「えっと」「えー」といった意味のない言葉(ケバ)を削除しました。
さらに整文では、話し言葉を修正して読みやすくしています。
次の例文も見てみましょう。
「まず最初に」は重複表現なのですが、素起こしではそのままテキスト化します。
ケバ取りでは、沈黙部分や意味のない言葉を削除し、明らかな間違いを修正しましょう。ただし、語順についてはそのままにしておきます。
整文では、語順を入れ替え、話し言葉を修正しましょう。
整文するときの9つのコツ
会話のなかではあまり気にならなくても、文字に起こしてみると意外と多くの間違いがあるものです。
次のようなポイントで整文を行い、読みやすい文章に修正しましょう。
- 語順を入れ替える
- ら抜き言葉・い抜き言葉・さ入れ言葉を修正する
- 重複表現を修正する
- 助詞の不足や間違いを修正する
- 日本語の間違いを修正する
- 話し言葉を修正する
- 方言を標準語に変換する
- 長すぎる文を区切る
- 聞き取れない部分を補完する
以下、それぞれのコツを例文で解説します。
1.語順を入れ替える
倒置表現は会話のなかに多く登場します。
整文では正しい語順に入れ替えましょう。
2.ら抜き言葉・い抜き言葉・さ入れ言葉を修正する
- ら抜き言葉
- い抜き言葉
- さ入れ言葉
は、会話のなかで使用されることも多いのですが、文法的には正しくありません。
その人らしさを出すために残す場合もありますが、基本的には修正しましょう。
3.重複表現を修正する
話し言葉でよく使われる、以下のような重複表現も修正します。
- まず最初に → まず or 最初に
- 約10年ほど前に → 約10年前に or 10年ほど前に
二重敬語なども修正しましょう。
4.助詞の不足や間違いを修正する
上の例文では、不足していた助詞「は」「を」を追加しました。
助詞が間違っている場合も修正しましょう。
5.日本語の間違いを修正する
「シュミレーション」はよくある間違いです。「シミュレーション」と正しい表記に修正しましょう。
以下のような言葉も間違いであるため、修正が必要です。
- アボガド → アボカド
- うる覚え → うろ覚え
6.話し言葉を修正する
次のような言葉も修正しましょう。
- そんな → そのような
- どんな → どのような
- いろんな → いろいろな
7.方言を標準語に変換する
話者の個性を出すために、方言のままテキスト化することもありますが、基本的には標準語に変換しましょう。
8.長すぎる文を区切る
1つの文が長く続くと読みにくいため、不自然にならない程度に区切るとよいでしょう。
9.聞き取れない部分を補完する
会話の流れや文脈から推測できる場合は補完しましょう。
推測できない場合は、「◯◯(@0:22:05)」などと記載しておきます。
あえて整文をしないほうがよい場面とは?
整文を行うと読みやすい文章にはなりますが、
- その人らしさ
- 話し手の感情
- 会話の熱量
- リアリティ
などが失われてしまう場合もあります。
ある程度は話し言葉を残す、ケバ取りだけを行うなど、テキスト化の目的や掲載するメディアのイメージに合わせて対応しましょう。
文章をどのくらい整えるかはクライアントによっても異なるため、指示をしっかりと確認しておくことが大切です。
整文を理解してテープ起こしの仕事を始めよう!
今回は、テープ起こしや文字起こしの方法のひとつである、整文について解説しました。
クライアントからの依頼に対応できるよう、コツをしっかりと理解しておきましょう。
素起こしとケバ取りについては、次の記事で詳しく解説していますので、あわせて読んでみてください。
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