素起こしとは?笑い声や相槌の処理方法を解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
テープ起こし・文字起こしの「素起こし」とは?

テープ起こしや文字起こしには、

  • 素起こし
  • ケバ取り
  • 整文

といった方法があります。

この記事では、素起こしについて例文を用いて詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

例文で解説!素起こし(逐語起こし)とは?

素起こしとは?テープ起こし・文字起こしの基本

素起こし(逐語起こし)とは、音声をそのままテキスト化することです。

簡単な作業のように思えますが、

  • テキスト化するもの・しないもの
  • ケバ取り・整文との違い

をしっかりと理解しておく必要があります。

ここでは、素起こしに関する基礎知識を紹介しますので、チェックしておきましょう。

素起こしでは笑い声や相槌もそのまま起こす

素起こしでは、会話の内容はもちろん、

  • 笑い声
  • 相槌
  • 言い淀み
  • 言い間違い

なども忠実に文字に起こします。

「えっと」「あのー」といった言い淀みなどもテキスト化するため、丁寧に聞き取らなければなりません。

カウンセリング記録などの場合は、沈黙部分を「……」といった形で表現して、会話の間や話者が悩んでいる様子をテキスト化するケースもあります。

ただし、以下のような音については、テキスト化する必要はありません。

  • 外部の車の音
  • 会話に参加していない人の笑い声
  • 雷や風の音

素起こし・ケバ取り・整文の違い

テープ起こし・文字起こしの方法は、以下の3つに大きく分けられます。

  • 素起こし:音声をそのままテキスト化する
  • ケバ取り:相槌や笑い声などを削除する
  • 整文:読みやすく整える

3つの違いを例文で確認してみましょう。

例文1
音声:私は、えっと、文章を書く仕事をしてるんです、あのー、25歳から。
素起こし:私は、えっと、文章を書く仕事をしてるんです、あのー、25歳から。
ケバ取り:私は、文章を書く仕事をしてるんです、25歳から。
整文:私は25歳から、文書を書く仕事をしています。

素起こしでは、音声に忠実にテキスト化しています。

ケバ取りでは、「えっと」「あのー」といった言い淀み(ケバ)を削除しました。

さらに整文では、語順や話し言葉を修正して読みやすい文章にしています。

次の例文も見てみましょう。

例文2
音声:はい、そのとき頭痛が痛かったので……、薬を飲んだんです。
素起こし:はい、そのとき頭痛が痛かったので……、薬を飲んだんです。
ケバ取り:そのとき頭が痛かったので、薬を飲んだんです。
整文:そのとき頭が痛かったので、薬を飲んだのです。

「頭痛が痛かった」は間違った表現なのですが、素起こしではそのままテキスト化します。

ケバ取りや整文では、正しい表現に修正しましょう。

素起こしが適している場面とは?

素起こしをすると言い淀みや相槌が多く含まれてしまうため、一般的なWebメディアに掲載する文章などには、あまり向いていません。

素起こしが適しているのは、以下のような音声をテキスト化する場合です。

  • 裁判記録
  • カウンセリング

裁判記録では発言内容を正確に起こす必要があるため、ケバ取りや整文より素起こしが適しています。

カウンセリング内容を記録して、

  • 話者の感情を把握したい
  • 悩んでいる部分や言いにくい部分を分析したい

といった場合も、素起こしを行うとよいでしょう。

素起こしにおけるタイムスタンプ・タイムコードとは?

タイムスタンプ(タイムコード)とは、文字起こしをした文章の途中に記載した、音声データの経過時間のことです。

次の例文のように、5分ごと、10分ごとなど、指定された間隔で時間を記載します。

例文1
0:00:00

A:えー、今日の議題は業務の効率化についてです。

(中略)

0:05:02

B:うちの部署には、うーん、合わない気がしますが……。

(中略)

0:10:04

A:別の意見がある人はいますか?

(中略)

発言が終わったタイミングで記載するため、指定された間隔から少しずれた時間を記入するケースが多いでしょう。

次の例文のように、聞き取れない部分にタイムスタンプを記載する場合もあります。

例文2
A:部署ごとに◯◯(@0:22:05)する必要がありそうですね。

タイムスタンプには、テキストと音声データの照合をしやすいというメリットがあるため、必要に応じて記載しましょう。

素起こしを理解してテープ起こしの仕事を始めよう!

今回は、テープ起こしや文字起こしの方法のひとつである、素起こしについて解説しました。

クライアントからの指示に対応できるよう、コツをしっかりと把握しておきましょう。

ケバ取りと整文については、次の記事で詳しく解説していますので、あわせて読んでみてください。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

Comments are closed.