テープ起こしや文字起こしには、
- 素起こし
- ケバ取り
- 整文
といった方法があります。
この記事では、素起こしについて例文を用いて詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
例文で解説!素起こし(逐語起こし)とは?
素起こし(逐語起こし)とは、音声をそのままテキスト化することです。
簡単な作業のように思えますが、
- テキスト化するもの・しないもの
- ケバ取り・整文との違い
をしっかりと理解しておく必要があります。
ここでは、素起こしに関する基礎知識を紹介しますので、チェックしておきましょう。
素起こしでは笑い声や相槌もそのまま起こす
素起こしでは、会話の内容はもちろん、
- 笑い声
- 相槌
- 言い淀み
- 言い間違い
なども忠実に文字に起こします。
「えっと」「あのー」といった言い淀みなどもテキスト化するため、丁寧に聞き取らなければなりません。
カウンセリング記録などの場合は、沈黙部分を「……」といった形で表現して、会話の間や話者が悩んでいる様子をテキスト化するケースもあります。
ただし、以下のような音については、テキスト化する必要はありません。
- 外部の車の音
- 会話に参加していない人の笑い声
- 雷や風の音
素起こし・ケバ取り・整文の違い
テープ起こし・文字起こしの方法は、以下の3つに大きく分けられます。
- 素起こし:音声をそのままテキスト化する
- ケバ取り:相槌や笑い声などを削除する
- 整文:読みやすく整える
3つの違いを例文で確認してみましょう。
素起こしでは、音声に忠実にテキスト化しています。
ケバ取りでは、「えっと」「あのー」といった言い淀み(ケバ)を削除しました。
さらに整文では、語順や話し言葉を修正して読みやすい文章にしています。
次の例文も見てみましょう。
「頭痛が痛かった」は間違った表現なのですが、素起こしではそのままテキスト化します。
ケバ取りや整文では、正しい表現に修正しましょう。
素起こしが適している場面とは?
素起こしをすると言い淀みや相槌が多く含まれてしまうため、一般的なWebメディアに掲載する文章などには、あまり向いていません。
素起こしが適しているのは、以下のような音声をテキスト化する場合です。
- 裁判記録
- カウンセリング
裁判記録では発言内容を正確に起こす必要があるため、ケバ取りや整文より素起こしが適しています。
カウンセリング内容を記録して、
- 話者の感情を把握したい
- 悩んでいる部分や言いにくい部分を分析したい
といった場合も、素起こしを行うとよいでしょう。
素起こしにおけるタイムスタンプ・タイムコードとは?
タイムスタンプ(タイムコード)とは、文字起こしをした文章の途中に記載した、音声データの経過時間のことです。
次の例文のように、5分ごと、10分ごとなど、指定された間隔で時間を記載します。
A:えー、今日の議題は業務の効率化についてです。
(中略)
B:うちの部署には、うーん、合わない気がしますが……。
(中略)
A:別の意見がある人はいますか?
(中略)
発言が終わったタイミングで記載するため、指定された間隔から少しずれた時間を記入するケースが多いでしょう。
次の例文のように、聞き取れない部分にタイムスタンプを記載する場合もあります。
タイムスタンプには、テキストと音声データの照合をしやすいというメリットがあるため、必要に応じて記載しましょう。
素起こしを理解してテープ起こしの仕事を始めよう!
今回は、テープ起こしや文字起こしの方法のひとつである、素起こしについて解説しました。
クライアントからの指示に対応できるよう、コツをしっかりと把握しておきましょう。
ケバ取りと整文については、次の記事で詳しく解説していますので、あわせて読んでみてください。
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