文章校正ツールの導入を検討しているなら、まずは無料のものを試してみるとよいでしょう。
有料版ほどのチェック精度は期待できませんが、ある程度、変換ミスや不適切な表現などを検出してくれます。
無料版を使ってみて不十分だと感じた場合は、有料ツールに切り替えるとよいでしょう。
目次
【無料版】おすすめ文章校正ツール3選
まずは無料で使えるおすすめ文章校正ツールを3つ紹介します。
選定の基準は以下のとおり。
- オンラインで手軽に使える
- 簡単に操作できる
精度チェック用の例文を使って、どのくらい間違いを検出できるのかについても確認してみました。
この例文には、以下のような間違いや冗長表現をあえて入れています。
- h:入力ミス
- 。。:入力ミス
- 4:数字の全角/半角が統一されていない
- ないわけではない:二重否定
- 思ってます:い抜き言葉
- させていただきたい:冗長な敬語
それぞれのツールの特徴やチェック精度について見ていきましょう。
so-zou.jp
『so-zou.jp』は、オンラインで手軽に使える文章校正ツールです。入力欄に文章を貼り付けて「検査」ボタンをクリックするだけで、簡単に間違った表現を検出できます。
チェックしてくれる主な項目は以下のとおり。
- 誤変換
- 使用注意語
- 機種依存文字
- 外国地名
- 固有名詞
- ら抜き言葉
- 表外漢字
- 二重否定
- 助詞不足
- 冗長表現
実際に例文を貼り付けてチェックしてみた結果、以下のように間違いが検出されました。
二重否定は検出されましたが、それ以外の間違いについてはスルーされてしまいました。
簡単に使えるのは大きなメリットですが、少しチェック精度が低いように感じてしまいます。
補助的に使うなら問題ありませんが、より精度の高いチェックを求めるなら、次に紹介するツールを試してみましょう。
Enno
『Enno』も無料で使えるオンライン文章校正ツールです。入力欄にチェックしたい文章を貼り付けるだけで、簡単に誤字脱字などを検出できます。
チェック精度は以下のとおり。
先ほど紹介した『so-zou.jp』とは異なり、
- 。。:入力ミス
- させていただきたい:冗長な敬語
の2つについて指摘されました。
同じ無料ツールでも得意・不得意があり、チェックしている部分は異なることがわかります。
PRUV
『PRUV』もオンラインで使える無料の校正ツールです。文章を貼り付けて「チェック開始」ボタンを押すだけで、不適切な表現を検出できます。
- 助詞のミス
- ら抜き言葉
- 二重敬語
- 二重否定
といった基本的な間違いを検出できるだけなく、自分だけのチェックルールを登録できるのが大きな特徴です。
たとえば、以下のように漢字とひらがなの使い分けルールを登録しておけば、間違った表記を検出してくれます。
ただし、チェックルールは100個までしか登録できません。
また、『PRUV』がどのように文章を分解してチェックしているかを理解したうえでルールを設定しなければ正しく機能しない、という難しさがあります。
チェック精度は以下のとおり。
- 。。:入力ミス
- 4:数字の全角/半角が統一されていない
- ないわけではない:二重否定
- 思ってます:い抜き言葉
については、しっかりと検出されました。
ただ、
- h:入力ミス
- させていただきたい:冗長な敬語
という2つの間違いは検出されなかったので、やはり完全ではないようです。
随時バージョンアップされているので、チェック精度は高まっていくかもしれませんが、より信頼性の高いツールを使いたい場合は、有料版の導入を検討しましょう。
【有料版】おすすめ文章校正ツール3選
有料のおすすめ文章校正ツールは次の3つです。無料版より高いチェック精度を求める場合は、導入を検討してみてください。
それぞれのツールの特徴について詳しく見ていきましょう。
文賢
『文賢』は、多くのライターや校正者が使っている文章チェックツールです。私も文章作成のサポートツールとして導入しています。
単純な誤字脱字のチェックだけではなく、
- 句読点の位置
- 漢字の利用頻度
- 改行のバランス
- 誤解される表現
- 日本語の誤用
など、100以上の視点から文章をチェックしてくれるのが大きな特徴です。
オンラインツールであるため、インストールする必要もありません。
- JTB
- KDDI
- FUJITSU
といった大手企業にも導入されています。
どのくらいの精度なのか、チェックしてみました!
▼校閲支援
『文賢』のシステムは、
- 誤字脱字や日本語の誤用をチェックする「校閲支援」
- 文章の読みやすさを高める「推敲支援」
の2つに分かれています。
校閲支援では、
- h:入力ミス
- 。。:入力ミス
- 思ってます:い抜き言葉
- させていただきたい:冗長な敬語
という部分が検出されました。
「もっと」という表現は話し言葉であるため、「さらに」に変換すべきか確認しましょう、という提案もしてくれています。
▼推敲支援
推敲支援では、
- 4:数字の全角/半角が統一されていない
- ないわけではない:二重否定
という部分が検出されました。
さらに、
- 同じ文末表現「ます」の連続使用
- 同じ助詞「は」の連続使用
- 接続助詞「が」の用法確認
についても指摘してくれています。
結果としては、今回の例文に含まれる間違いはすべて検出されたため、無料ツールと比較するとチェック精度は高いといえるでしょう。
さらに詳しい解説や口コミ・評判については、以下の記事にまとめています。実際に使ってみたうえで、できること・できないことを紹介していますので、チェックしてみてください。
文賢の料金プラン
『文賢』の料金プラン(税込)は下表のとおり。
初期費用 | 11,800円 |
月額費用(1ライセンスあたり) | 2,178円 |
5ライセンス以上まとめて購入すると、月額費用が割引されます。
まずはチームで1ライセンス購入して、共有しながら使い勝手を試してみてもよいでしょう。ただし、2つのパソコンで同時にログインすることはできません。
誰かがログインしている状態で、同じライセンスを使って2人目がログインしようとすると、最初に使用していた人が強制的にログアウトさせられます。
▼公式サイトはこちら
Transcope
『Transcope』は、SEOに強いAIライティングツール。
ChatGPTを開発したOpenAI社の最新APIであるGPT-4を利用して、精度の高い文章を作成します。
文章の作成だけではなく、
- コピペチェック
- 誤字脱字のチェック
- 不要な文字の削除
といった文章校正を行うことも可能です。
既存の文章をリライトしてSEO効果を高めることもできます。
企画・構成・執筆・チェックというコンテンツ作成の流れを効率化できるでしょう。
Transcopeの料金プラン
『Transcope』の初期費用は無料で、以下4つの料金プラン(税込)があります。
まずはFreeプランで、機能や使い勝手を確認してみるとよいでしょう。
Just Right!6 Pro
『Just Right!6 Pro』は、パソコンにインストールして使うタイプの文章校正ツールです。ただ、Windowsにしか対応していません。
- 誤字脱字
- 不適切な表現
- 表記ゆれ
- 環境依存文字
- 同じ助詞の連続
といった項目をチェックしてくれます。
体験版も提供されているので、使い勝手を試してから導入するとよいでしょう。
Just Right!6 Proの料金
『Just Right!6 Pro』の本体価格は、51,700円(税込)です。
以下のようなプラグインもあるため、必要に応じて購入しましょう。
- 共同通信社 記者ハンドブック校正辞書第13版
- 医療校正辞書2010
- ライフサイエンス校正辞書2015
▼商品ページはこちら
文章校正ツールを最大限に活用するための3つのポイント
文章校正ツールをうまく活用してチェック作業を効率化するためには、以下3つのポイントを大切にしましょう。
それぞれのポイントについて順番に解説していきます。
1.2つ以上の校正ツールを組み合わせてチェックする
それぞれの校正ツールには得意・不得意があり、検出できる項目も異なります。
とくに無料版を利用する場合、1つのツールですべての間違いを検出することには限界があるため、複数のものを組み合わせて使用するのがおすすめです。
少し手間をかけるだけで、多くの間違いを発見できるでしょう。
2.校正ツールによるチェックは完璧ではないことを知っておく
文章校正ツールは日々バージョンアップしており、チェック精度も高まってきています。
とはいえ、校正ツールを使うだけで、すべての間違いを検出できるわけではありません。たとえ有料ツールを使っても、完璧なチェックは不可能でしょう。
品質の高い文章を作成するためには、人間による目視チェックも重要です。
人間とツール、それぞれの強みをうまく組み合わせて、文章の間違いを校正しましょう。
3.言葉の使い分けルールを作っておく
ルールに従って見落としなくチェックできることは、校正ツールの強みです。
- 漢字・ひらがなの使い分け
- 漢数字・算用数字の使い分け
などの独自ルールを設定しておけば、間違いをほぼ確実に検出してくれます。
人間は、メディアに合わせた言葉選びや芸術的な表現などは得意ですが、多くのルールに従って見落としなくチェックすることは苦手です。
言葉の使い分けの確認については、ルールを作って校正ツールを頼るとよいでしょう。
文章校正ツールを導入してチェック作業を効率化しよう!
今回は、おすすめの文章校正ツールや、ツールを導入するときのポイントなどについて解説しました。
文章校正ツールだけで完璧なチェックができるわけではありませんが、ツールの特性を理解したうえで目視チェックと組み合わせると、精度の高い確認作業を行えます。
まずは無料版から試してみるとよいでしょう。
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