会社の名刺には住所を記載するのが一般的ですが、自宅で働くフリーランスも住所を公開する必要があるのでしょうか?
この記事では、
- フリーランスが住所を公開する必要性
- 自宅の住所を公開するデメリット
- 自宅の住所を公開せずに事業を展開する方法
などについて詳しく解説します。
目次
フリーランスは住所を公開すべき?公開する必要があるケースは?
住所は大切な個人情報です。とくに自宅を仕事場としている場合は、さまざまなトラブルを未然に防ぐためにも住所の公開は慎重に行いましょう。
ただし、住所の公開を求められるケースもあります。
それぞれのケースについて詳しく見ていきましょう。
1.ネットショップを運営する場合
ネットショップを運営する場合、基本的には住所や電話番号などを公開しなければなりません。
特定商取引法によると、ネットショップには次のような項目を記載することが求められます。
1.販売価格(役務の対価)(送料についても表示が必要)
2.代金(対価)の支払時期、方法
3.商品の引渡時期(権利の移転時期、役務の提供時期)
4.申込みの期間に関する定めがあるときは、その旨及びその内容
5.契約の申込みの撤回又は解除に関する事項(売買契約に係る返品特約がある場合はその内容を含む。)
6.事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
7.事業者が法人であって、電子情報処理組織を利用する方法により広告をする場合には、当該事業者の代表者又は通信販売に関する業務の責任者の氏名
8.事業者が外国法人又は外国に住所を有する個人であって、国内に事務所等を有する場合には、その所在場所及び電話番号
9.販売価格、送料等以外に購入者等が負担すべき金銭があるときには、その内容及びその額
10.引き渡された商品が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合の販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容
11.いわゆるソフトウェアに関する取引である場合には、そのソフトウェアの動作環境
12.契約を2回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び販売条件又は提供条件
13.商品の販売数量の制限等、特別な販売条件(役務提供条件)があるときは、その内容
14.請求によりカタログ等を別途送付する場合、それが有料であるときには、その金額
15.電子メールによる商業広告を送る場合には、事業者の電子メールアドレス
特定商取引法ガイド
2.事業を大きく展開する場合
事業を大きく展開していく場合には、住所の公開を検討しましょう。
事業の規模が大きくなるほど、ビジネスパートナーとしての信用度を求められるからです。
住所を公開していないことで相手からの信用度が低くなり、ビジネスチャンスを逃してしまうかもしれません。
ただし、フリーランスとして独立したばかりなら無理に公開する必要はないでしょう!
安心して取引できることを知ってもらうために、
- 自宅を仕事場としている
- 送付物がある場合は個別に対応する
などと事前に伝えておけば問題ありません。
フリーランスの住所を名刺に記載しないことによる問題は?
特別な場合を除き、基本的には名刺やWebサイトに住所を記載する必要はありません。
ただし、次のような問題が発生するケースもあります。
それぞれの注意点は以下のとおりです。
1.郵便物が届かない
名刺に住所を記載していない場合、当然ですが郵便物を送ってもらうことはできません。
郵便物の受け取りが発生しそうなときは、あらかじめ「必要な場合に住所を教える」ことを伝えておくとよいでしょう。
2.事業の信頼性が低下する
名刺やWebサイトに住所を載せていないことで、不信感をもたれる可能性もあります。
「住所を載せないのは何か問題があるのではないか……?」と警戒する人もいるかもしれません。
ただし、一般的には多くのフリーランスが住所を公開していないため、大きな問題にはならないでしょう。
フリーランスが自宅の住所を公開するデメリット
ここでは、仕事場である自宅の住所を公開することのデメリットについて確認しておきましょう。
1.引っ越したときの手続きが面倒になる
自宅の引っ越しをするたびに、取引先などへ連絡する必要があります。
具体的には、
- 名刺交換した相手への連絡
- 名刺やWebサイトに記載した内容の変更
などを行わなければなりません。
2.自宅に来られる可能性もある
自宅の住所を公開すると、予期しないタイミングで訪問されたり、トラブルが起きた際に押しかけられたりする可能性もゼロではありません。
名刺を渡した相手の管理が不十分で、意図しない形で住所が公開されてしまう可能性もあります。
トラブルの発生を防止するためにも、住所を公開するときは慎重に行いましょう。
フリーランスが自宅の住所を公開せずに事業を展開する3つの方法
自宅の住所を公開せず、安心して事業を進める方法を紹介します。
各方法の詳細は以下のとおりです。
1.住所の一部のみを記載する
自宅の住所を公開したくない場合は、一部だけを記載するとよいでしょう。
- 東京都杉並区荻窪
- 大阪市北区中之島
などと番地やマンション名を非公開にしておけば、自宅を特定されることはありません。
住所の一部を公開することで、信用度が極端に下がることもないでしょう。
2.2種類の名刺を使い分ける
住所が記載されているものと記載されていないもの、2種類の名刺を使い分ける方法もおすすめです。
- 契約を結ぶクライアントには住所が記載されたものを渡す
- それ以外の人には住所が記載されていないものを渡す
など、相手に合わせて使う名刺を選ぶとよいでしょう。
2種類の名刺を使い分けることで、プライバシーを確保しながら安心して仕事をすることができます。
3.レンタルオフィスやバーチャルオフィスを利用する
レンタルオフィスやバーチャルオフィスの住所を利用するのもよい方法です。
レンタルした住所は、名刺に記載できるのはもちろん、法人登記用の住所としても利用できます。
自宅の住所を公開する必要がなくなり、安心して事業を展開できるでしょう。
住所だけを借りるなら、月額1,000円程度で利用できるバーチャルオフィスもあります!
郵便物転送や電話転送などのサービスも利用できるため、うまく活用しましょう。
【フリーランス向け】住所をレンタルできるサービス3選
最後に、住所を公開したくないフリーランスにおすすめのバーチャルオフィスを紹介します。
GMOオフィスサポート
料金(税込) | 660円〜/月 |
主なサービス | 住所貸し 郵便物転送 |
主な拠点 | 東京(渋谷・新宿・銀座・青山・秋葉原) 神奈川(横浜) 愛知(名古屋) 大阪(梅田) 京都 福岡 |
おすすめ度 | ★★★★★ |
『GMOオフィスサポート』は、一等地の住所を格安料金でレンタルできるバーチャルオフィスです。
住所をレンタルするだけなら月額660円で契約できます。
自宅の住所を公開する必要がなくなるため、
- フリーランスとして独立したい
- ネットショップを運営したい
といった人に最適です。
東京はもちろん、各地で拠点を増やしつつあるため、活動エリアに合わせて選びましょう。
『GMOオフィスサポート』の詳細や口コミ・評判をチェック>>
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レゾナンス
料金(税込) | 1,650円〜/月 (入会金:5,500円) |
主なサービス | 住所貸し 郵便物転送 固定電話 有人受付システム |
主な拠点 | 渋谷 新宿 銀座 浜松町 横浜 |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
打ち合わせ場所を確保したい場合は、『レゾナンス』がおすすめです。
都内に5拠点を置いており、すべての店舗に貸し会議室が併設されています。
住所を借りるだけであれば月額1,650円という格安料金で契約でき、
- 電話秘書代行
- 専用FAX
- プライベートロッカー
といったオプションを利用することも可能です。
▼公式サイトはこちら
Karigo
料金(税込) | 3,300円〜/月 (入会金:5,500円〜) |
主なサービス | 住所貸し 郵便物転送 固定電話 会社設立代行 |
主な拠点 | 東京 大阪 仙台 名古屋 福岡など (全国52拠点) |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
地方の住所をレンタルしたい場合は、『Karigo』を利用するとよいでしょう。
首都圏だけではなく、
- 仙台
- 新潟
- 名古屋
- 岡山
- 福岡
- 沖縄
など、全国で52拠点を運営しています。
会社を設立するときは、書類作成や法務局への申請をサポートしてもらえるため、スムーズに事業を始められるでしょう。
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フリーランスの住所公開は慎重に!
今回は、フリーランスが住所を公開する必要性や注意点を紹介しました。
一般的には住所が公開したほうが社会的信用を得られますが、自宅を仕事場としている場合は、さまざまなリスクもあるため注意しましょう。
安心してビジネスを展開したい場合は、バーチャルオフィスやレンタルオフィスの住所を利用するのがおすすめです。