事業と関係のない出費を経費計上するのはNGですが、できるだけ多くの費用を経費として申告したほうが節税につながります。
インターネット代についても忘れないように経費計上しておきましょう。
ただし、自宅で仕事をしている場合、全額を経費とすることはできないため注意が必要です。
この記事では、フリーランスや個人事業主向けに、
- インターネット代を経費計上するときのポイント
- 勘定科目の選び方
- 家事按分の方法
などについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
インターネット代を経費計上するときの2つのポイント
そもそも経費とは、事業を行ううえで必要な出費のことです。
インターネットは業務に欠かせないものであるため、基本的に経費として計上できます。
ただし、
- 専用の仕事場を借りている場合:全額経費としてOK
- 自宅で仕事をしている場合:家事按分によって何%かを経費とする
というように、経費処理の方法が異なるので注意しましょう。
以下、それぞれのケースについて詳しく解説します。
1.専用の仕事場を借りている場合はインターネット代を全額経費としてOK
仕事専用の事務所などを借りている場合は、インターネット代を全額経費として問題ありません。
- 事務所の家賃
- 電気代
- 水道代
- ガス代
なども全額経費として計上できます。
勘定科目・仕訳例
借方 | 貸方 | 摘要 |
通信費 8,000円 | 普通預金 8,000円 | インターネット代10月分 |
事務所のインターネット代を事業用口座から支払った場合、上記のように仕訳します。
勘定科目は「通信費」とするのが一般的です。
2.自宅で仕事をしている場合は家事按分してインターネット代の何%かを経費とする
自宅で仕事をしているフリーランスや個人事業主も多いでしょう。
自宅の一部を仕事場としている場合は、家事按分によってインターネット代の何%かを経費として計上できます。
家事按分とは、業務に関わる割合に合わせて、出費の一部を経費計上することです。
たとえば、1ヶ月のうち15日間、仕事をしている場合、インターネット代の50%を経費計上できます。1ヶ月のインターネット代が6,000円の場合、3,000円を経費として計上できるのです。
家事按分によって何割まで経費計上できるかについて、明確なルールはありません。基本的には、自分の働き方に合わせて、自由に割合を設定できます。
とはいえ、計算の方法が不明確であったり、経費の割合が大きすぎたりすると、税務調査で指摘を受ける可能性もあるため注意が必要です。
- 作業時間
- 作業日数
などを根拠として計算し、指摘されたときに明確に説明できるようにしておきましょう。
勘定科目・仕訳例
借方 | 貸方 | 摘要 |
通信費 3,500円 | 事業主借 3,500円 | インターネット代11月分(按分比率50%) |
インターネット代7,000円を個人の口座から支払い、按分比率を50%として計算する場合は、上記のように仕訳を行います。
按分比率を忘れてしまわないよう、摘要欄に記載しておくとよいでしょう。
残りの3,500円については、事業と関係のない出費であるため、仕訳をする必要はありません。
インターネット代と同様にスマートフォン代なども経費計上できる
インターネット代と同様に
- スマートフォン
- モバイルWi-Fi
などの料金も経費として計上できます。
それぞれの仕訳方法などを簡単に確認しておきましょう。
スマートフォン代
- クライアントとの連絡
- 外出中の情報収集
などを行うケースも多いため、スマートフォンは事業に欠かせないアイテムです。
仕事専用の場合は全額を、プライベートでも使用している場合は家事按分によって何割かを経費計上しましょう。
勘定科目・仕訳例
借方 | 貸方 | 摘要 |
通信費 2,000円 | 事業主借 2,000円 | スマートフォン代11月分(按分比率25%) |
プライベートでも使っているスマートフォンの料金8,000円を個人の口座から支払い、按分比率を25%として経費計上する場合は、上記のように仕訳しましょう。
モバイルWi-Fi代
モバイルWi-Fiを利用している場合は、その料金も忘れずに経費計上しましょう。
出張などで一時的にレンタルした場合も、経費として申告してOKです。
勘定科目・仕訳例
借方 | 貸方 | 摘要 |
通信費 5,000円 | 普通預金 5,000円 | モバイルWi-Fi代7月分 |
仕事用に契約しているモバイルWi-Fiの料金を事業用口座から支払った場合、上記のように仕訳します。
インターネット代を経費計上して節税につなげよう!
今回は、インターネット代を経費計上するときのポイントについて解説しました。
自宅を仕事場としている場合、インターネット代を経費計上することを忘れがちです。
「家事按分すると2,000円程度になってしまう…」という場合でも、コツコツと経費計上することで大きな節税効果を得られます。
インターネット代に限らず、経費として認められる出費はできるだけ計上して節税につなげましょう。
以下の本などを参考にすると、経費や節税の基本を理解できます。税金のプロになる必要はありませんが、フリーランスとして長く活動するなら、軽く勉強しておくのがおすすめです。
また、フリーランスが経費計上できるものについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。節税効果を高めたい人はチェックしてみてください。
- 経費についてプロに相談したい
- 確定申告を依頼したい
といった場合は、『税理士ドットコム』で信頼できる税理士を探してみるとよいでしょう。
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インターネット代以外にもある!忘れずに経費計上しておきたい費用
インターネット代以外にも、さまざまな費用が経費として認められる可能性があります。下表を参考にチェックしてみてください。
費用 | 勘定科目 | 判断基準 |
家賃 | 地代家賃 | 詳しくチェック>> |
敷金・礼金・仲介手数料 | 修繕費 地代家賃 支払手数料 | 詳しくチェック>> |
電気代・ガス代・水道代 | 水道光熱費 | 詳しくチェック>> |
レンタルサーバー代 | 通信費 | 詳しくチェック>> |
冠婚葬祭費 | 接待交際費 福利厚生費 | 詳しくチェック>> |
漫画代・雑誌代 | 新聞図書費 研究費 | 詳しくチェック>> |
新聞代 | 新聞図書費 雑費 | 詳しくチェック>> |
ガチャ代・ゲーム代 | 通信費 消耗品費 研究費 | 詳しくチェック>> |
お土産代・お菓子代 | 接待交際費 福利厚生費 会議費 | 詳しくチェック>> |
洋服代・スーツ代 | 消耗品費 雑費 | 詳しくチェック>> |
散髪代 | 接待交際費 広告宣伝費 | 詳しくチェック>> |
化粧品代 | 消耗品費 接待交際費 広告宣伝費 | 詳しくチェック>> |
年賀状代 | 通信費 広告宣伝費 | 詳しくチェック>> |
お中元代・お歳暮代 | 接待交際費 広告宣伝費 | 詳しくチェック>> |
セミナー参加費 | 研修費 | 詳しくチェック>> |
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