散髪代は、経費として認められにくい費用のひとつです。
ただし、事業内容や状況によっては経費計上できるケースもあるため、判断基準をしっかりと理解しておきましょう。
この記事では、主にフリーランスや個人事業主向けに、
- 散髪代が経費として認められにくい理由
- 散髪代を経費計上できるケース
- 経費計上するときの勘定科目
などについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
散髪代は経費として認められにくい!
仕事内容にもよりますが、散髪代は経費として認められにくい出費といえるでしょう。
そもそも経費とは、事業に関わる出費のことです。確かに仕事をするうえで身だしなみは重要であるため、「散髪代も経費になるのでは…?」などと考えるかもしれません。
しかし、散髪代は仕事をしていなくても発生するため、事業との関連性があまりないのです。
散髪代は、仕事をするうえで発生する費用というより、生きているから発生する費用ともいえるでしょう。
このような事業との関連性が薄い費用については、税務署も簡単には経費計上することを認めてくれません。
とはいえ、散髪代が経費として認められるケースもあります。次の項目で詳しく紹介しますので、チェックしておきましょう。
散髪代が経費として認められるケース
次のような場合は、散髪代を経費計上しても問題ないでしょう。
以下、それぞれのケースについて詳しく解説します。
仕事に関連するパーティーに出席するとき
仕事に関連する
- パーティー
- 式典
- 結婚式
などに参加するために、美容院で髪を切ったり、髪型をセットしたりする場合は、その費用を経費計上できるでしょう。
当然ですが、事業と関係のない友人の結婚式などの場合は、経費計上できません。
勘定科目・仕訳例
借方 | 貸方 | 摘要 |
接待交際費 5,000円 | 事業主借 5,000円 | 散髪代 |
クライアントが主催するパーティーに出席するために髪を切り、ポケットマネーから支払った場合は、上記のように勘定科目「接待交際費」として仕訳します。
ただ、勘定科目についての絶対的なルールはないため、雑費としてもよいですし、新しい項目を作成してもOKです。
セミナー講師として人前に立つとき
- セミナー講師
- 商品説明会の司会者
といった人前に立つ仕事をしている場合も、散髪代を経費計上できるでしょう。
見た目の印象で売上が変わるケースも多い、と考えられるからです。
ただし、毎月の散髪代をすべて経費計上するのは難しいでしょう。仕事をしていなくても、美容院を利用することはあるからです。
散髪代の50%を経費とするなど、税務署から指摘を受けにくいような工夫をしておきましょう。
勘定科目・仕訳例
借方 | 貸方 | 摘要 |
広告宣伝費 2,500円 | 事業主借 2,500円 | 散髪代(按分比率50%) |
毎月の散髪代5,000円をポケットマネーから支払い、その50%を経費計上する場合は、上記のように仕訳します。
セミナーや商品説明会を行う場合、勘定科目は「広告宣伝費」としておきましょう。「セミナー準備費」などの項目を新設してもOKです。
TV出演や取材に対応するとき
- TVに出演する
- 取材を受ける
- メディア掲載用に写真を撮影する
といった場合も散髪代を経費計上してOKです。
勘定科目・仕訳例
借方 | 貸方 | 摘要 |
広告宣伝費 6,000円 | 事業主借 6,000円 | 散髪代 |
Webメディアの取材を受けるときの散髪代を経費計上する場合は、上記のように仕訳します。
摘要欄にWebメディア名などを記録しておくとよいでしょう。
散髪代を経費計上するときの2つの注意点
繰り返しになりますが、散髪代は事業との関連性が薄いため、安易に経費計上すると、税務署から指摘を受ける可能性もあります。
散髪代を経費とする際は、次のような点に注意することが大切です。
- 適切な割合で按分する
- 仕事に関連するという証拠を残しておく
それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。
1.適切な割合で按分する
散髪代の全額を経費計上するのではなく、適切な割合で按分しておくと、指摘を受ける可能性が減るでしょう。
按分比率は、状況に応じて自由に設定できます。ただし、根拠が不明確であったり、経費とする割合が大きすぎたりすると、厳しく追求される可能性もあるため注意しましょう。
とはいえ、面積比率で按分できる家賃などとは異なり、散髪代の按分比率を明確に算出するのは難しいですよね。税務署側が明確な基準をもっているわけでもありません。
実際には、「少額であればあまり気にされない」というように程度問題で判断されるケースも多いため、指摘を受けたくない場合は50%以下などに設定しておきましょう。
2.仕事に関連するという証拠を残しておく
領収書さえあれば経費として認められる、というわけではありません。
散髪代を安易に経費計上すると、
- 仕事に関連する散髪代なのか…?
- 本当にクライアントのパーティーに参加したのか…?
などと疑いの目でチェックされる場合もあります。
確実に経費計上したい場合は、美容院でもらう領収書だけではなく、
- パーティーの案内状
- 取材の記録
- メディアに掲載された記事
などを保管しておくことも必要です。
散髪代を正しく経費計上して節税しよう!
今回は、散髪代を経費計上するときのポイントについて解説しました。
散髪代は、経費として認められにくい費用ですが、経費計上できるケースもあります。
自分の事業との関連性をしっかりと考えたうえで、正しく経費計上して節税につなげましょう。
また、散髪代以外にも、意外と多くの費用が経費として認められます。以下の記事では、フリーランスが経費計上できるものをまとめていますので、節税効果を高めたい人はチェックしてみてください。
節税効果を高めるためには、経費の本質について理解しておくことも大切です。以下の参考書などで軽く勉強しておくと、経費や節税に対する意識が変わりますので、ぜひチェックしておきましょう。
- 経費処理をプロに依頼したい
- 確定申告をスムーズに終わらせたい
といった場合は、『税理士ドットコム』で信頼できる税理士を探してみるのもおすすめです。
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散髪代以外にもある!忘れずに経費計上しておきたい費用
散髪代以外にも、多くの費用を経費計上できる可能性があります。下表を参考にしてチェックしておきましょう。
費用 | 勘定科目 | 判断基準 |
家賃 | 地代家賃 | 詳しくチェック>> |
敷金・礼金・仲介手数料 | 修繕費 地代家賃 支払手数料 | 詳しくチェック>> |
電気代・ガス代・水道代 | 水道光熱費 | 詳しくチェック>> |
インターネット代 | 通信費 | 詳しくチェック>> |
レンタルサーバー代 | 通信費 | 詳しくチェック>> |
冠婚葬祭費 | 接待交際費 福利厚生費 | 詳しくチェック>> |
漫画代・雑誌代 | 新聞図書費 研究費 | 詳しくチェック>> |
新聞代 | 新聞図書費 雑費 | 詳しくチェック>> |
ガチャ代・ゲーム代 | 通信費 消耗品費 研究費 | 詳しくチェック>> |
お土産代・お菓子代 | 接待交際費 福利厚生費 会議費 | 詳しくチェック>> |
洋服代・スーツ代 | 消耗品費 雑費 | 詳しくチェック>> |
化粧品代 | 消耗品費 接待交際費 広告宣伝費 | 詳しくチェック>> |
年賀状代 | 通信費 広告宣伝費 | 詳しくチェック>> |
お中元代・お歳暮代 | 接待交際費 広告宣伝費 | 詳しくチェック>> |
セミナー参加費 | 研修費 | 詳しくチェック>> |
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