
化粧品代が経費として認められるかどうかは、事業内容によって異なります。
この記事では、主にフリーランスや個人事業主向けに、
- 化粧品代が経費として認められにくい理由
- 化粧品代を経費計上できるケース
- 経費計上するときの勘定科目
などについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
化粧品代は経費として認められる?
事業の内容にもよりますが、化粧品代は経費として認められにくい費用といえるでしょう。
一般的には事業との関連性が低い費用と考えられるからです。
仕事をするうえで身だしなみは大切であるため、「化粧品代も経費になるのでは……?」などと思うかもしれません。
しかし税務署側は、
- 絶対に事業に必要とは言い切れないもの
- プライベートでも使用できるもの
については、経費計上することを簡単には認めてくれないのです。
とはいえ、化粧品代が経費として認められるケースもあります。
次の項目で詳しく解説しますので、損をしないよう確認しておきましょう。
化粧品代が経費として認められる4つのケース
次のような場合は、化粧品代を経費として計上できるでしょう。
以下、それぞれのケースについて詳しく解説します。
1.YouTubeなどの動画撮影をするとき
YouTubeなどの動画に出演するために化粧品を購入する場合は、経費として認められるでしょう。
見た目が動画の再生回数や収益に影響すると説明できるからです。
化粧品と同様、整髪料や衣装なども経費計上できます。
勘定科目・仕訳例
借方 | 貸方 | 摘要 |
消耗品費 3,000円 | 普通預金 3,000円 | 化粧品代 |
動画撮影のために化粧品を購入し、事業専用の口座から支払った場合は、上記のように仕訳しましょう。
勘定科目は「消耗品費」でOKです。
ただ、勘定科目についての絶対的なルールはないため、「雑費」などとしても問題ありません。
2.モデルや講師として人前に立つとき
モデルや講師として人前に立つ仕事をしている場合も、化粧品代を経費として計上できます。
ただし、化粧品をプライベートでも使用する場合は50%を経費とするなど、按分しておくとよいでしょう。
勘定科目・仕訳例
借方 | 貸方 | 摘要 |
消耗品費 1,500円 | 事業主借 1,500円 | 化粧品代(按分比率50%) |
化粧品代3,000円をポケットマネーから支払い、その50%を経費とする場合は上記のように仕訳します。
宣伝の目的があるなら、勘定科目を「広告宣伝費」としてもOKです。
3.事業に関するパーティーや式典に出席するとき
クライアントが主催する
- パーティー
- 式典
- 結婚式
などに出席する場合は、化粧品代を経費計上できるでしょう。
当然ですが、仕事と無関係の友人の結婚式などに出席する場合は、経費計上できません。
勘定科目・仕訳例
借方 | 貸方 | 摘要 |
接待交際費 2,300円 | 普通預金 2,300円 | 化粧品代 |
クライアントの式典に出席するために化粧品を購入した場合は、上記のように「接待交際費」として仕訳します。
- 消耗品費
- 雑費
でも問題ありません。
4.取材に応じるとき
- Webメディア
- テレビ
などの取材に応じるために特別に化粧品を購入した場合も、経費計上してOKです。
勘定科目・仕訳例
借方 | 貸方 | 摘要 |
広告宣伝費 3,100円 | 普通預金 3,100円 | 化粧品代 |
取材対応のための化粧品代を経費として計上する場合は、上記のように仕訳します。
摘要欄にメディア名などを記載しておくとよいでしょう。
化粧品代を経費計上するときの2つの注意点
何も考えずに化粧品代を経費計上すると、税務署から指摘を受ける可能性もあります。
化粧品代を経費とする場合は、次のような点に注意しましょう。
- プライベートでも使う場合は按分しておく
- 事業に関連するという証拠を残しておく
以下、それぞれの注意点について簡単に解説します。
1.プライベートでも使う場合は按分しておく
仕事専用の化粧品なら全額を経費計上してもOKですが、プライベートでも使う場合は適切な割合で按分しておきましょう。
按分するのが面倒なら、仕事用とプライベート用の化粧品を分けておくのもよい方法です。
2.事業に関連するという証拠を残しておく
領収書やレシートさえあれば経費として認められる、というわけではありません。
化粧品代を安易に経費計上すると、
- 仕事に必要な化粧品なのか……?
- 本当にクライアントの式典に参加したのか……?
などと疑いの目でチェックされる可能性もあります。
確実に経費として認めてもらいたい場合は、領収書やレシートだけではなく、
- 式典の招待状
- 取材の記録
などを保管しておくことも大切です。
化粧品代を正しく経費計上して節税しよう!
今回は、化粧品代を経費計上するときのポイントについて解説しました。
化粧品代は経費として認められにくい費用ですが、仕事内容によっては経費計上してOKです。
事業との関連性をしっかりと考えたうえで、正しく経費計上して節税効果を高めましょう。
また、化粧品代以外にも、意外と多くの費用が経費として認められます。
次の記事では、フリーランスが経費計上できるものをまとめていますので、節税に興味のある人はチェックしてみてください。
節税効果を高めるためには、経費処理の基本について理解しておくことも大切です。
以下の参考書などで軽く勉強しておくと、経費や節税に対する意識が変わりますので、気になる人は読んでおきましょう。
- 自分で経費処理をしたくない
- 確定申告をスムーズに進めたい
といった場合は、『税理士ドットコム』で信頼できる税理士を探してみるのもおすすめです。
▼無料相談はこちら
化粧品代以外にもある!忘れずに経費計上しておきたい費用
化粧品代以外にも経費として認められる費用はあります。下表を参考にしてチェックしておきましょう。
費用 | 勘定科目 | 判断基準 |
家賃 | 地代家賃 | 詳しくチェック>> |
敷金・礼金・仲介手数料 | 修繕費 地代家賃 支払手数料 | 詳しくチェック>> |
電気代・ガス代・水道代 | 水道光熱費 | 詳しくチェック>> |
インターネット代 | 通信費 | 詳しくチェック>> |
レンタルサーバー代 | 通信費 | 詳しくチェック>> |
冠婚葬祭費 | 接待交際費 福利厚生費 | 詳しくチェック>> |
漫画代・雑誌代 | 新聞図書費 研究費 | 詳しくチェック>> |
新聞代 | 新聞図書費 雑費 | 詳しくチェック>> |
ガチャ代・ゲーム代 | 通信費 消耗品費 研究費 | 詳しくチェック>> |
お土産代・お菓子代 | 接待交際費 福利厚生費 会議費 | 詳しくチェック>> |
洋服代・スーツ代 | 消耗品費 雑費 | 詳しくチェック>> |
散髪代 | 接待交際費 広告宣伝費 | 詳しくチェック>> |
年賀状代 | 通信費 広告宣伝費 | 詳しくチェック>> |
お中元代・お歳暮代 | 接待交際費 広告宣伝費 | 詳しくチェック>> |
セミナー参加費 | 研修費 | 詳しくチェック>> |
コメント
Comments are closed.