事業用の住所をレンタルするために、バーチャルオフィスを利用している人も多いでしょう。
この記事では、主にフリーランスや個人事業主向けに、
- バーチャルオフィス利用料を経費計上するときのポイント
- 勘定科目や仕訳例
などを紹介しますので、ぜひチェックしてください。
目次
バーチャルオフィス利用料は経費計上できる!
事業用の住所や電話番号を借りるためにバーチャルオフィスを利用している場合は、その費用を経費として計上できます。
そもそも経費とは、事業を進めるうえで発生した支出のことです。
- 名刺に記載するための住所をレンタルしている
- ネットショップ運営用の住所をレンタルしている
といった場合、その費用は事業に関連するものとして認められるでしょう。
ただし、事業とは関係のない理由でバーチャルオフィスを利用した場合は、経費計上できません。
バーチャルオフィス利用料を経費計上するときの勘定科目・仕訳例
バーチャルオフィス関連の費用を経費計上する際は、以下のように勘定科目を使い分けましょう。
- バーチャルオフィスの利用料を支払った場合:支払手数料
- 会議室をレンタルした場合:会議費
- 郵便物転送サービスを利用した場合:通信費
- 電話代行サービスを利用した場合:外注工賃
勘定科目の選び方について絶対的なルールがあるわけではないため、「雑費」として処理したり、新しい勘定科目を設定したりしてもOKです。
ただし「雑費」を使いすぎると、何にどの程度の経費がかかっているのかを把握しにくくなるため注意しなければなりません。
経費の発生状況を把握できるよう、自分なりのルールを決めておきましょう!
以下、経費計上のポイントや仕訳例を紹介します。
1.バーチャルオフィスの利用料を支払った場合
バーチャルオフィスはレンタルオフィスなどとは異なり、実際の空間を借りるわけではないため、勘定科目「支払手数料」として仕訳しましょう。
勘定科目・仕訳例
借方 | 貸方 | 摘要 |
支払手数料 8,000円 | 普通預金 8,000円 | バーチャルオフィス利用料 |
バーチャルオフィスの利用料を事業用の口座から支払った場合は、上記のように仕訳しましょう。
摘要欄には「バーチャルオフィス利用料」などと記載しておきます。
2.会議室をレンタルした場合
バーチャルオフィスに併設された会議室をレンタルすると、別途料金が発生するのが一般的です。
クライアントとの打ち合わせのために会議室を借りた場合は、勘定科目「会議費」として仕訳します。
勘定科目・仕訳例
借方 | 貸方 | 摘要 |
会議費 2,500円 | 現金 2,500円 | 会議室利用料 |
クライアントと打ち合わせをした場合は、上記のように仕訳します。オンライン会議の場合でも「会議費」として仕訳すれば問題ありません。
摘要欄にクライアント名を記載しておくと、後で見返したときにわかりやすいでしょう。
作業するために会議室を借りた場合は、「雑費」として処理すればOKです。
3.郵便物転送サービスを利用した場合
オプションとして
- 郵便物転送サービス
- 電話転送サービス
を利用した場合は、勘定科目「通信費」として仕訳しましょう。
勘定科目・仕訳例
借方 | 貸方 | 摘要 |
通信費 3,000円 | 普通預金 3,000円 | 電話転送サービス利用料 |
電話転送サービス利用料を事業用の口座から支払う場合は、上記のように仕訳します。
郵便物転送サービスの場合も同様です。
4.電話代行サービスを利用した場合
バーチャルオフィスによっては、
- 電話代行サービス
- 秘書代行サービス
などを利用できる場合もあります。
これらの費用は、勘定科目「外注工賃」として仕訳しましょう。
勘定科目・仕訳例
借方 | 貸方 | 摘要 |
外注工賃 3,000円 | 普通預金 3,000円 | 電話代行サービス利用料 |
電話代行サービス利用料を事業専用の口座から支払った場合は、上記のように仕訳します。
バーチャルオフィス利用料を経費計上するときの3つの注意点
経費計上するときは、次のようなポイントに注意しましょう。
以下、それぞれのポイントについて簡単に解説します。
1.一括して記載されている場合は分ける必要はない
領収書や請求書に「バーチャルオフィス利用料」などと一括して記載されている場合は、勘定科目「支払手数料」としてまとめて処理しましょう。
- 会議費
- 通信費
などと、それぞれ仕訳する必要はありません。
2.地代家賃として仕訳するのは避ける
バーチャルオフィス利用料を地代家賃や賃借料として仕訳するのは適切ではありません。
レンタルオフィスなどとは異なり、実際の空間を借りているわけではないからです。
前述のとおり、勘定科目「支払手数料」として処理しましょう。
3.仕訳のルールを決めておく
仕訳するとき、勘定科目の選び方に関する絶対的なルールはありませんが、自分なりのルールは決めておきましょう。
仕訳するごとに勘定科目を変えたり、適当に処理したりすると、何にどのくらい費用がかかっているのかを把握しにくくなります。
バーチャルオフィス利用料に限りませんが、面倒だからといって安易に「雑費」として仕訳すると、収支を把握しにくくなるため注意が必要です。
バーチャルオフィス利用料の勘定科目を知って正しく経費計上しよう!
今回は、バーチャルオフィス利用料に関する経費計上のポイントを紹介しました。
事業用の住所をレンタルしている場合は、バーチャルオフィス利用料を経費計上できます。
できる限り多くの費用を経費計上することで節税効果が高まるため、忘れずに処理しましょう。
次の記事では、フリーランスが経費計上できる費用をまとめて紹介していますので、あわせてチェックしてみてください。
確定申告や経費について悩んだときは、プロに相談するのもおすすめです。
『税理士ドットコム』を利用すれば、信頼できる税理士を簡単に探せるため、困ったときは相談しましょう。
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バーチャルオフィス利用料以外にもある!しっかりと経費計上しておきたい費用
節税効果を高めるため、下表のような費用を経費計上できないか確認しておきましょう。
費用 | 勘定科目 | 判断基準 |
家賃 | 地代家賃 | 詳しくチェック>> |
敷金・礼金・仲介手数料 | 修繕費 地代家賃 支払手数料 | 詳しくチェック>> |
電気代・ガス代・水道代 | 水道光熱費 | 詳しくチェック>> |
インターネット代 | 通信費 | 詳しくチェック>> |
レンタルサーバー代 | 通信費 | 詳しくチェック>> |
冠婚葬祭費 | 接待交際費 福利厚生費 | 詳しくチェック>> |
漫画代・雑誌代 | 新聞図書費 研究費 | 詳しくチェック>> |
新聞代 | 新聞図書費 雑費 | 詳しくチェック>> |
ガチャ代・ゲーム代 | 通信費 消耗品費 研究費 | 詳しくチェック>> |
お土産代・お菓子代 | 接待交際費 福利厚生費 会議費 | 詳しくチェック>> |
洋服代・スーツ代 | 消耗品費 雑費 | 詳しくチェック>> |
散髪代 | 接待交際費 広告宣伝費 | 詳しくチェック>> |
化粧品代 | 消耗品費 接待交際費 広告宣伝費 | 詳しくチェック>> |
お中元代・お歳暮代 | 接待交際費 広告宣伝費 | 詳しくチェック>> |
セミナー参加費 | 研修費 | 詳しくチェック>> |
以下のような参考書を読んで、経費や領収書に関する本質的な考え方を知っておくのもおすすめです。
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